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大手だけが正解じゃない?信頼できるM&A仲介会社の選び方と見極めポイント

「M&A仲介会社は大手が安心?でも本当にそれでいいのか…」そんな疑問をお持ちではありませんか?

大手だから安心、小規模だから不安――そんな“規模神話”に振り回されず、後悔のないM&Aを実現するには、仲介会社の本質を見抜く目が欠かせません。

本記事では、10年以上の現場経験を持つM&Aアドバイザーが、仲介会社選びのリアルな実態と見極めポイントを徹底解説します。

■本記事を読むと得られること

  1. 大手と小規模仲介会社の本質的な違いがわかる
  2. 信頼できる仲介会社の見抜き方が理解できる
  3. 仲介手数料や担当者のリスクを事前に把握できる

■本記事の信頼性
筆者はM&Aアドバイザー歴10年以上、200件以上のM&A支援実績を持ち、中小企業庁認定の登録支援機関として活動中です。信頼性・誠実性・専門性・スピードを重視し、現場目線で発信しています。

この記事を読み終えるころには、自社に最適なM&A仲介会社を冷静に見極め、納得感のあるM&Aを進めるための判断軸が身についているはずです。

5分で読める内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

1. はじめに:M&A仲介会社の「規模神話」にご用心

なぜ「大手=安心」と思ってしまうのか?

「M&Aは一生に一度の大きな決断だから、しっかりした大手に任せたい」と考える経営者は少なくありません。確かに、大手企業には「規模が大きい=安心・信頼できる」というイメージがつきやすく、これはM&A仲介業界でも同じように思われがちです。しかし、実際の現場では、大手だからといって必ずしも満足できる対応が得られるとは限りません。

そもそも、私たちが「大手=安心」と感じる背景には、普段の消費行動が影響しています。たとえば、スーパーや飲食店であれば、知らない小さな店よりも全国展開しているチェーン店のほうが無意識に安心感を覚える方が多いでしょう。その心理がM&Aという専門性が高く、情報の非対称性が大きい分野でも働いてしまうのです。

しかし、M&A仲介会社は、商品やサービスのように「誰が対応しても同じ品質」という業種ではありません。むしろ、「誰が担当するか」が結果を大きく左右する業界です。つまり、会社の“看板”よりも、実際に担当するアドバイザーの経験・スキル・倫理観が、M&Aの成否に直結するといっても過言ではありません。

たとえば、大手仲介会社では、毎月多数の新入社員が現場に配属されるため、経験の浅い担当者が最前線で案件を進めることも珍しくありません。国の制度である「M&A支援機関登録制度」でも、登録時点での担当者の経験や実績は求められませんので、登録されている=必ずしも信頼できるというわけではないのです。

実際に、2023年に中小企業庁が発表した「中小M&A推進の実態調査報告書」によると、M&A経験者のうち「仲介会社に対して不満を感じた」と回答した割合は全体の約4割に上りました。その主な理由として「説明が不十分だった」「高額な手数料を後から提示された」「経験の浅い担当者だった」などが挙げられています。

つまり、規模の大きな仲介会社でも、社内教育や仕組みが追いついておらず、質の低い対応をされてしまうこともあるというのが現実なのです。

一方で、小規模な仲介会社においては、元大手出身の経験豊富なアドバイザーが1件1件を丁寧に対応しているケースも多く、「会社の規模」に惑わされず、実際の支援内容で比較検討することが重要といえます。

ある事例をご紹介します。筆者が過去に支援したある製造業のオーナーは、最初に某大手仲介会社に相談し、提示された条件で「ぜひ進めてください」と言われたものの、その後6ヶ月間も進捗がなく、買い手候補の提示もゼロでした。そこで筆者の所属する小規模仲介会社に依頼が移り、買い手リストの再構築から打診、成約までわずか3ヶ月で完了。最終的な手数料も半額以下で済み、オーナーからは「最初からここに頼めばよかった」とのお言葉をいただきました。

このように、M&A仲介会社選びでは、「大手だから安心」「名前を聞いたことがあるから大丈夫」というイメージに流されるのではなく、担当者の実績や姿勢、そして実際の支援体制に目を向けることが不可欠です。

まとめると、M&Aにおいて「会社の規模=信頼性」ではありません。むしろ、個々のアドバイザーの実力と姿勢が結果を大きく左右するため、「誰に任せるか」を重視すべきです。大手か小規模かという判断ではなく、「あなたの会社にとってベストな支援者かどうか」で見極める姿勢が、後悔しないM&Aにつながる第一歩となります。

2. 大手仲介会社と小規模仲介会社の違いとは?

組織体制・営業スタイル・報酬体系を比較

M&A仲介会社には、全国規模で多数の案件を取り扱う「大手仲介会社」と、比較的少人数で地域密着型の対応を行う「小規模仲介会社」があります。どちらが良い・悪いという単純な話ではなく、それぞれに異なる特徴があるため、自社に合った仲介会社を選ぶことが非常に重要です。

まずは、両者の主な違いを表で整理してみましょう。

項目 大手仲介会社 小規模仲介会社
組織体制 多部署制・分業型(営業・分析・契約など) 一気通貫型(1人が全工程を担当)
担当者数 多い(新卒・未経験含む) 少数精鋭(経験者が多い)
営業スタイル 電話・DMなどで積極的に売手にアプローチ 紹介・専門家ネットワークを活用
対応件数 1人当たり複数案件を並行処理 少数案件に丁寧に対応
報酬体系 レーマン方式+最低報酬1,000万円以上が一般的 柔軟な料金設定(500万円前後も多い)
買手探索手法 自社データベース中心、社内限定で動く傾向 他社連携や業界プラットフォーム活用が柔軟

このように、大手仲介会社は仕組みやブランド力を活かして効率的に案件を回す一方で、小規模仲介会社は柔軟性と個別対応力の高さが魅力です。

なかでも特に大きな違いは「担当者の質と関わり方」にあります。大手では、各工程を別の担当者が分担するため、意思疎通にズレが生じたり、責任の所在が曖昧になるリスクがあります。対して小規模では、最初の相談からクロージングまで一貫して1人が担当するケースが多く、安心感とスムーズなやりとりが期待できます。

また、営業スタイルにも大きな違いがあります。大手は組織としての売上目標が厳しく、場合によっては半ば強引な営業をかけてくることもあります。具体的には、「貴社は今が売り時です」「すでに買手がいます」などの誘導的なトークで面談に持ち込むケースが少なくありません。

一方、小規模仲介会社では、そのような営業手法を嫌って独立した元大手出身者が多く、基本的には紹介や専門家ルートから案件を獲得するスタイルが中心です。営業を受けた側が「押しつけがましい」と感じることは少なく、納得感のある話し合いをベースに進めてくれる傾向があります。

さらに報酬体系も違いが大きいポイントです。大手仲介会社では、レーマン方式と呼ばれる売却価格に応じた手数料に加え、1,000万円〜2,500万円の「最低報酬」が定められているケースが多くあります。これは売却価格が低くても一定額以上は支払う必要があるため、特に小規模な会社にとっては重い負担になります。

一方で、小規模仲介会社はその点で柔軟性が高く、案件の規模や業種に応じて手数料を調整することも可能です。報酬についての相談がしやすいことも、小規模ならではのメリットと言えるでしょう。

事例として、ある地方の建設業の売却を検討していた経営者の方は、最初に相談した大手仲介会社から最低報酬1,500万円と提示され、「とても払える金額ではない」と断念。しかし、その後紹介を受けた地域密着型の小規模仲介会社では、報酬600万円・完全成功報酬制で支援を受けることができ、結果的に買手もスムーズに見つかり、満足のいくM&Aが実現しました。

また、国が運営する「中小M&Aガイドライン」でも、仲介会社の規模だけでなく、個別対応の質や説明責任の果たし方を重視するよう推奨されています。ガイドラインでは「専門家の登録状況や過去の実績、説明資料の充実度をもとに選定を行うべき」としており、ブランドや規模に頼るのではなく、実質的な支援内容を重視する姿勢が求められています。

総じて、仲介会社の「大手か小規模か」という分類は、あくまで目安に過ぎません。重要なのは、あなたの会社にとって最適な支援が受けられるかどうかです。しっかりと比較検討を行い、報酬の仕組み、担当者の経験、対応の柔軟性などを総合的に判断して選ぶことが、M&A成功への近道となります。

3. 小規模仲介会社の多くは「元大手出身者」が設立している

独立の背景にある“違和感”と“志”

小規模なM&A仲介会社の多くは、実は大手や中堅仲介会社に在籍していた経験豊富なアドバイザーが独立して立ち上げた会社です。つまり、「経験が浅くて不安」と思われがちな小規模仲介会社でも、実際には高度なノウハウや現場経験を持ったプロフェッショナルが多数存在しているということです。

では、なぜ彼らは安定した大手企業を離れてまで独立したのでしょうか? そこには、現場で感じた“違和感”や、経営者として「本当に顧客の役に立ちたい」という強い志があることが多いのです。

たとえば、大手仲介会社では以下のような慣習が一般的に見られます。

  • ノルマ重視の営業スタイル(売り手に強引な提案を行う)
  • 高額な仲介手数料を一律で設定(案件規模に関係なく)
  • 新米のアドバイザーでもすぐに案件を担当させる
  • 分業制によりクライアントとの距離が遠くなる

このような営業体制や社風に対して、疑問を抱く優秀なアドバイザーたちが「本当にお客様のためになる支援がしたい」「透明性のある料金体系で信頼関係を築きたい」という思いから、自らの会社を立ち上げるケースが増えています。

この背景は、業界の人材流動性の高さにも表れています。M&A仲介業界は、比較的若手でも活躍できる一方、成果主義の厳しさから離職率も高い業界として知られています。特に2020年代に入り、上場仲介会社の台頭により競争が激化したこともあり、「自分の信念で動きたい」と考える人が増えているのです。

中小企業庁の「中小M&A推進計画(2021年)」でも、仲介支援人材の質と育成に関する課題が指摘されており、「企業理念や方針が現場に合わないことによる人材の流出」が業界の課題のひとつとして明記されています。

つまり、小規模仲介会社の成り立ちは「脱サラ」的なものではなく、むしろ現場の第一線で戦ってきたプロフェッショナルが、自らの信念を形にした結果といえるのです。

ある実例をご紹介します。筆者の知人であるA氏は、元々大手M&A仲介会社に勤めていました。そこでは月間の面談ノルマや、受託数重視の評価制度に強いストレスを感じ、「もっと誠実に向き合える仲介をしたい」との思いで独立。現在では、地域密着型で中小企業を丁寧に支援する小規模仲介会社を経営しています。

このA氏の会社では、初回面談での「売る前提での相談は不要です」というスタンスが経営者の信頼を集め、結果的に案件成約率も高く、紹介案件が自然と増えていったとのことです。

また、小規模仲介会社の特徴として、「代表者が現場に出る」ことも見逃せません。大手では経営層が現場に出ることはほとんどありませんが、小規模であれば社長自身が面談・打診・交渉まで一貫して対応してくれるケースも多く、経営者同士で腹を割って話せることが大きな信頼につながります。

もちろん、小規模仲介会社であってもすべてが信頼できるとは限りません。M&Aブームに乗って未経験者が安易に参入するケースもあるため、下記のようなチェックポイントで事前に見極めることが大切です。

信頼できる小規模仲介会社を見極めるポイント

  • 代表者や担当者の過去の実績(成約数、案件規模)
  • 料金体系が明確で柔軟に相談できるか
  • 面談時に売却を急がせたり、強引な誘導がないか
  • M&A支援機関として中小企業庁に登録されているか
  • 第三者の推薦や紹介実績があるか

このような点を踏まえて慎重に選べば、小規模でありながらも高い専門性と誠実な姿勢を持つ仲介会社と出会える可能性が十分にあります。

まとめると、小規模なM&A仲介会社は、「小さくて不安」ではなく、「現場経験を積んだプロが理想を実現するために設立した会社」であることが多いのです。その背景には、大手の仕組みでは実現できなかった“丁寧で誠実なM&A支援”を届けたいという強い志があり、自社の将来を大切に考える経営者にとっては、信頼できるパートナーとなり得る存在です。

4. 新米コンサルタントが多いのは実は大手?

未経験者の受け皿になっている現実とリスク

大手M&A仲介会社と聞くと、「経験豊富なプロが揃っていて安心」と考える方が多いかもしれません。しかし実際には、大手の多くが未経験の新米コンサルタントを大量に採用しているというのが現実です。つまり、相談先が大手だからといって、必ずしも経験豊富な担当者がつくとは限らないのです。

その背景には、大手仲介会社が拡大路線をとっており、人材を大量採用していることが関係しています。M&A仲介業は人手に依存する「労働集約型ビジネス」であり、案件数を増やすには人を増やす必要があります。そこで、経験を問わず広く人材を募集し、現場に早期投入する傾向が強まっているのです。

以下のような特徴が、大手における人材体制の実態を表しています。

  • 新卒や異業種からの転職者を積極採用
  • 短期間の社内研修後、すぐに案件担当を任される
  • 成果主義のため、数字優先の営業スタイルになりやすい
  • 一人ひとりの担当件数が多く、きめ細かな対応が困難

たとえば、上場している大手仲介会社のIR資料では、コンサルタント1人あたりの年間成約件数が「1件未満」であることが示されている場合もあります。これは、在籍している多くのコンサルタントがほとんど実務経験のない状態であることを意味しています。

また、中小企業庁が公表した「M&A支援機関に関するアンケート調査(2022年度)」によれば、売手企業が仲介会社に感じた不満の上位に「担当者の知識や経験が不足していた」が挙げられており、これは新米コンサルタントによる対応のリスクを裏付けるデータといえます。

こうした未経験者にありがちなミスには、以下のようなものがあります。

  • 企業価値を過大評価した提案をしてしまい、買手が見つからない
  • 秘密保持契約前に買手候補へ情報を漏らす
  • クロージング前に従業員へM&Aを告知してしまい社内混乱を招く
  • 売手・買手双方の意図を誤解し、交渉を壊してしまう

これらはM&Aの基本ともいえる注意点ですが、現場経験が浅いと見落としがちで、結果として案件が破談になるケースも少なくありません。

実際に筆者が相談を受けたケースでは、あるオーナーが大手仲介会社に依頼した際、若手の担当者から「すぐに売れる」と断言され、極端に高い企業価値を提示されたとのことです。しかし、6ヶ月経っても買手が現れず、よくよく確認すると、業界理解も浅く、買手リストの質も低いままでした。最終的には他の仲介会社に乗り換え、適正価格でスムーズに成約したという経緯がありました。

もちろん、大手にも優秀で経験豊富なアドバイザーは多数います。しかし、売手側から見て「誰が担当するか」は選べないケースも多く、「大手だから安心」という先入観だけで任せてしまうと、リスクを見逃すことにつながります。

一方で、小規模な仲介会社は即戦力重視の傾向が強く、代表者自身が豊富な現場経験を持っていることも多いため、初回面談から専門的で具体的なアドバイスを受けられることが一般的です。

担当者の経験・信頼性を見抜くチェックポイント

  • 過去に担当した案件数・業種・成約までの期間
  • 事前に提示される企業価値評価の根拠が明確か
  • 「買手は決まっている」と即断しないか
  • 質問に対して丁寧に答えてくれるか
  • 自社の業界や地域に関する理解があるか

このように、仲介会社選びでは「会社の規模」よりも「担当者の質と経験」をしっかり見極めることが重要です。初回面談時に遠慮せず、実績や支援スタイルを聞いてみることで、経験の浅い新米コンサルタントに当たるリスクを回避できる可能性が高まります。

まとめると、大手M&A仲介会社は人員確保と拡大路線を優先するあまり、未経験者が現場に出る比率が高くなりがちです。「大手だから安心」というイメージではなく、「誰が対応するか」に目を向けることが、成功につながるM&Aの第一歩となります。

5. 仲介手数料は高額でも安心できる?その誤解と実態

手数料の設定ロジックと「イメージ料金」の落とし穴

M&A仲介会社に支払う手数料は、多くの売手オーナーにとって「見えづらく、わかりづらいコスト」として不安要素の一つです。特に大手仲介会社では、手数料が1,000万円以上に設定されていることも多く、「高い手数料だからしっかり対応してくれるだろう」と思ってしまう方も少なくありません。

しかし、実際には「手数料の高さ=品質の高さ」ではないという点に注意が必要です。仲介手数料の設定には明確な基準があるようでいて、実は仲介会社の裁量や営業方針に左右される部分が非常に大きいのです。

まずは、M&A仲介会社の手数料構造の基本を整理してみましょう。

項目 内容
着手金 契約時に発生。0円〜100万円が一般的
中間報酬 意向表明書・基本合意書締結時に発生することも
成功報酬 成約時に発生。レーマン方式(売却額に応じた%)が主流
最低報酬 成功報酬にかかわらず設定される最低支払い額

特に注意すべきは「最低報酬」です。多くの大手仲介会社では、成功報酬の計算に関係なく、最低でも1,000万円〜2,500万円程度を請求するルールが設けられている場合があります。これは、仮に5,000万円で会社を売却できたとしても、本来は数百万円で済むはずの報酬が1,000万円以上になるということを意味します。

このような高額手数料がなぜ設定されているのかについては、「ブランドイメージに見合う価格帯」「営業コストの回収」「インセンティブ制度維持」など、仲介会社の都合が大きく影響しています。

たとえば、上場している某大手M&A仲介会社では、報酬の一部がコンサルタント個人への成果給(インセンティブ)として支払われる仕組みがあります。そのため、手数料を下げると人材の離職につながるため、会社としては高額報酬を維持せざるを得ないという事情があります。

実際に中小企業庁が公表した「中小M&A実態調査(2022年度)」によると、「手数料の金額が不透明」「説明が不十分だった」といった不満が、仲介会社に対する苦情の中で上位に挙げられており、これが中小企業の売却において心理的障壁になっていることが分かります。

また、「高い手数料を払ったのに、担当者は新人で経験が浅かった」「結局、自分で買手を見つけた」といったケースも見られます。つまり、「高い=安心」と思って任せたはずが、満足できる支援を受けられなかったというギャップが存在するのです。

以下に、よくある“手数料に関する誤解”と、その実態をまとめました。

よくある誤解 実態
高い手数料の方が丁寧な対応をしてくれる 人員不足で新人が担当することもある
大手だから適正価格で手数料を設定している 「ブランド料金」で設定されているケースが多い
買手が見つからなくても報酬が発生するのは当然 完全成功報酬制の小規模業者も存在する

筆者が関与した実例でも、地方の製造業の売手企業が、初回相談時に「最低報酬1,500万円」と提示されて困惑。実際の売却想定額が7,000万円だったため、本来は400万円前後の成功報酬で済む規模にもかかわらず、大手では手数料が3倍以上に設定されていたのです。最終的には、別の小規模仲介会社に依頼し、着手金なし・最低報酬なし・完全成功報酬制で売却に成功しました。

小規模な仲介会社では、こうした柔軟な報酬体系を採用していることが多く、事前に明確な説明をしてくれる傾向があります。また、買手側に手数料を課す形で売手の負担を減らすスキームを取り入れている会社もあり、費用面での負担軽減が可能です。

仲介手数料で失敗しないためのチェックリスト

  • 最低報酬の有無・金額は確認したか
  • 着手金・中間報酬の支払時期と返金規定を確認したか
  • 成功報酬の算出根拠(計算方式)を理解しているか
  • 報酬に見合うサービス内容があるか
  • 複数社に見積もり・比較を行ったか

まとめると、M&A仲介の手数料は「高ければ安心」というものではなく、報酬の中身と提供される支援の実態を冷静に見極めることが重要です。大切なのは、金額の大小ではなく「納得できる説明があり、対価に見合った支援を受けられるかどうか」です。信頼できる仲介会社を選ぶためにも、手数料の仕組みを正しく理解し、比較・確認を怠らないようにしましょう。

6. 不誠実な営業手法は会社の規模に関係ない

強引な営業が横行する背景と見抜くポイント

M&A仲介会社の中には、売手の不安や知識不足につけ込むような営業手法をとる業者も存在します。よく「小さい会社は怪しい」「大手なら安心」といった声を聞きますが、実際には営業のモラルの低さは会社の規模とは無関係です。つまり、規模にかかわらず、誠実な会社もあれば不誠実な会社もある、というのが現実です。

たとえば、以下のような営業行為は、慎重に見極めるべきサインです。

  • 買手がいるかどうか確認せずに「買手がいます」と言って面談を迫る
  • 現実離れした高い株価査定を提示し、期待感だけを煽る
  • 着手金や最低報酬を説明せずに契約書にサインさせようとする
  • 秘密保持契約(NDA)を締結する前に企業情報を外部に開示する

これらの営業行為は、残念ながら大手・小規模を問わず見られるものです。特に、営業ノルマが厳しい会社や、成約件数が昇進や報酬に直結する社風の会社では、「とにかく案件を取る」ことが優先され、倫理よりも数字を追う姿勢が強まります。

中小企業庁が2023年に発表した「中小M&A実態調査報告書」でも、売手が仲介会社に対して抱く不満の中で「営業が強引だった」「説明が足りなかった」という声が複数挙がっており、これは大手・中堅の仲介会社においても指摘されている内容です。

また、信頼を得たかに見えて、実は囲い込みを行う仲介会社もあります。囲い込みとは、本来売手が自由に選ぶべき買手候補を、仲介会社が他社に共有せず自社のネットワーク内で完結させようとする行為です。この場合、より良い条件の買手と出会うチャンスを売手が失ってしまうリスクがあります。

この囲い込み行為も、営業部門と成約部門が完全に分離されている大手仲介会社で起こりやすい傾向があります。情報共有が組織内で閉ざされてしまっているためです。

不誠実な仲介会社を見抜く5つのチェックポイント

  1. 初回面談でいきなり「買手がいます」と言われる
  2. 企業価値の算定根拠があいまい、または提示がない
  3. 契約を急かす、または即決を促すトークが多い
  4. 報酬体系の説明が不明確、または口頭説明のみ
  5. 質問に対して明確な資料や数字で答えてくれない

筆者が実際に支援した事例でも、地方の建設業者が某仲介会社から「すでに買手がいますからすぐに動きましょう」と言われ、企業情報を詳細に提供したものの、実際には買手は存在せず、同意のないままに企業概要書が複数の会社に送付されていたというケースがありました。

このような背景から、売手としては「会社の規模」ではなく、「営業の姿勢」や「説明の誠実さ」に注目することが重要です。小規模であっても、専門家とのネットワークを活用して誠実に支援してくれる仲介会社も多く存在します。

反対に、大手だからといってすべてが安心というわけではなく、組織としての対応が形骸化し、「誰が担当するか」で支援の質が大きく変わることもあります。

誠実な仲介会社を選ぶための行動リスト

  • 複数の仲介会社から話を聞いて比較する
  • 初回面談で企業評価の算出根拠を確認する
  • 手数料の内訳を文書で提示してもらう
  • 買手候補の具体的な探し方を尋ねてみる
  • 必要に応じて顧問税理士・弁護士の意見を聞く

結論として、不誠実な営業は仲介会社の規模では判断できません。会社の大小よりも、「誰が」「どのように」あなたの会社に向き合うのかが重要です。担当者の説明に違和感がある場合や、疑問に対する回答が不明確な場合は、その時点で一歩引いて考える勇気を持つことが、納得のいくM&Aを実現する第一歩になります。

7. 買い手探しは規模より「手法」と「人」で決まる

小規模でも成果を出す仲介会社の探し方

M&Aにおける成功のカギのひとつは、どれだけ適切な「買い手候補」を見つけられるかです。買い手探しというと、「大手仲介会社の方が買い手のネットワークを持っていて安心」と思われがちですが、実際には仲介会社の規模よりも、買い手探索の“手法”と“担当者の質”が重要です。

たとえ小規模な仲介会社であっても、戦略的な買い手探索ができる体制やネットワークを持っていれば、十分に優良な買い手を見つけることができます。むしろ、大手にありがちな“囲い込み”や社内限定の買い手紹介に偏ることで、かえってチャンスを狭めてしまうリスクすらあります。

買い手探索の主な方法は以下の通りです。

  • 自社データベース(既存の買い手リスト)
  • 外部データベース(帝国データバンク、東京商工リサーチなど)
  • M&Aプラットフォーム(BATONZ、TRANBI、ビズリーチ・サクシードなど)
  • 士業・金融機関・地域の紹介ネットワーク
  • 同業他社や取引先企業への打診

これらの手法は仲介会社の規模に関係なく利用できます。特に小規模仲介会社は、自社だけにこだわらず他社や外部ネットワークとの連携を柔軟に行う傾向があり、逆に大手よりも広い範囲で買い手候補を探してくれることがあります。

中小企業庁の「中小M&A推進計画(2021年)」でも、M&Aの成否は「適切な買い手候補へのアクセスと丁寧なマッチング」が鍵であり、仲介会社の規模にこだわるより、マッチング方法の戦略性やプロセスの透明性が重視されるべきだと明記されています。

さらに、買い手探索において最も重要なのは、仲介担当者が「どこまで自社の強みや魅力を理解し、買い手に正しく伝えられるか」です。買い手候補に対して会社の魅力を適切に言語化・構造化して提案できるかどうかが、興味を引き出すポイントになります。

たとえば、ある飲食系フランチャイズを展開する中小企業の売却案件では、最初に依頼した大手仲介会社が画一的な企業概要書を使って打診した結果、ほとんど買い手から反応がありませんでした。しかし、その後依頼を引き継いだ小規模の仲介会社は、事業の強み・オーナーの想い・業界の成長性などを盛り込んだオリジナルの紹介資料を作成し、同業他社や投資会社にピンポイントで提案。結果的に、成約まで3ヶ月というスピードで話がまとまりました。

このように、「どれだけ買い手候補を持っているか」よりも、「どのような情報を、どんな相手に、どうやって届けるか」という視点が成果を左右します。

成果を出す仲介会社の買い手探索チェックポイント

  • 業界・地域特性に応じた探索戦略を立てているか
  • 案件ごとにカスタマイズした企業概要書を作成しているか
  • プラットフォーム以外の独自ネットワークも活用しているか
  • 買い手候補の打診先や反応を定期的に共有してくれるか
  • 探索活動に対する報告や透明性があるか

一方で、注意すべきは、買い手探索を表面的にしか行わず、形式だけ整えて実質的には動いていない仲介会社もあるという点です。「買い手を探しています」と言いつつ、実際には打診をしていなかったり、社内データベースの中だけで完結していたりするケースも存在します。

そのため、仲介会社に依頼する際には、買い手探索の方法や進捗について定期的に確認できる仕組みを整えているか、事前に説明を求めることが重要です。

初回相談時に確認したい質問例

  1. 買い手候補はどのように探しますか?
  2. M&Aプラットフォームは活用していますか?
  3. 業界ネットワークや他社との連携はありますか?
  4. 進捗の報告頻度や内容について教えてください
  5. 過去の類似案件でどんな買い手がつきましたか?

まとめると、買い手探しにおいては「会社の規模」ではなく「戦略的な探索手法」と「担当者の熱意と理解力」がすべてです。小規模な仲介会社であっても、豊富なネットワークと柔軟な動き方を活かして、十分に成果を上げることが可能です。むしろ、形式よりも本質にこだわる姿勢が、良縁を生むM&Aにつながります。

8. 【比較まとめ】あなたに合った仲介会社の選び方

信頼性・実績・費用のバランスで判断しよう

ここまでご覧いただいた通り、M&A仲介会社には大手と小規模それぞれに特徴があり、どちらが優れているという単純な話ではありません。最も重要なのは、自社の状況や希望に合った仲介会社を選ぶことです。そのためには、信頼性・実績・費用のバランスを総合的に見て判断する視点が求められます。

まず、仲介会社の信頼性を見極めるポイントは以下の通りです。

  • 担当者の対応が誠実で説明が明確か
  • 企業価値評価の根拠を数値で示してくれるか
  • 契約条件や手数料体系が事前に文書で提示されるか
  • 中小企業庁の「M&A支援機関」として登録されているか
  • 口コミや紹介実績があるか(他士業や知人経由)

加えて、実績の確認も欠かせません。特に注目したいのは以下の点です。

  • 過去に成約した案件数とその業種
  • 直近1~2年の成約スピードと成功率
  • 同じような地域・業種での支援経験があるか
  • 担当者個人の実績と現場経験(大手出身者も多い)

国の資料でも、M&Aの成功には「経験豊富な支援者の関与が不可欠」とされています。中小企業庁が公表した「中小M&A推進計画」や「ガイドライン」でも、「仲介会社の選定は規模や知名度よりも実績・姿勢・説明力を重視するべき」と明記されています。

費用面については、単に「安いからよい」「高いから信頼できる」と判断するのではなく、報酬の構造やリスク分担のバランスを確認する必要があります。

報酬体系を比較するチェックポイント

項目 大手仲介会社 小規模仲介会社
着手金 10万円〜100万円程度が一般的 無料〜30万円程度のケースも多い
成功報酬 レーマン方式+最低報酬(1,000万円〜) 柔軟対応あり(500万円前後〜)
中間報酬 意向表明時に発生するケースあり 発生しない場合が多い
報酬交渉の自由度 少ない(社内規定に準拠) 柔軟な交渉が可能なケースあり

また、費用に見合ったサービスが提供されているかどうかを判断することも大切です。たとえば、買手探しの戦略性、企業概要書の質、交渉力、成約までのサポート体制などが「価格相応かどうか」を確認することで、納得度の高い選択ができます。

実例として、筆者が支援した製造業の経営者は、最初はテレビCMで知った大手仲介会社に相談。しかし、担当者の対応が曖昧で企業価値の説明も抽象的だったため、不安を感じて小規模仲介会社に切り替えました。切り替え後は担当者が現場経験豊富で、報酬体系も明確。結果的に、手数料を半分以下に抑えながら、買手候補ともスムーズに話が進み、納得のいく売却が実現しました。

最終的には、以下のようなバランスを見ると、自社に最適な仲介会社が見つかりやすくなります。

仲介会社選びの判断フレーム

  1. 信頼性:誠実な説明、契約条件の透明性
  2. 実績:同業・同規模での成功経験の有無
  3. 費用:報酬体系の明確さと納得度
  4. 相性:担当者との信頼関係・相談しやすさ

まとめると、仲介会社の選定では「有名だから」「広告を見たから」という理由だけで決めてしまうと後悔のリスクがあります。自社に合った支援が受けられるか、誠実で信頼できるか、費用とのバランスが納得できるかを、冷静に見極める姿勢が何より大切です。大手でも小規模でも、あなたの未来を一緒に考えてくれる“人と会社”を選ぶことが、M&A成功への第一歩です。

まとめ

M&A仲介会社選びは「大手か小規模か」ではなく、「誰がどのように対応してくれるか」が最も重要です。見た目の安心感や知名度にとらわれず、自社にとって本当に信頼できるパートナーを見極める目を持つことが、後悔しないM&Aへの第一歩となります。

  1. 会社の規模だけで判断しない
  2. 担当者の経験と誠実さを確認
  3. 報酬体系の中身を見て選ぶ
  4. 買い手探索の手法に注目する
  5. 複数社比較で納得して決断する

詳しく知りたい方は、ぜひアーク・パートナーズまでお問い合わせください。

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