“誠実であること”は効率よりも価値がある。M&Aの本質と、私たちが大切にする姿勢
「どのM&A業者に相談すれば安心なのか分からない」「誠実な支援をしてくれる専門家に出会いたい」――そんな悩みをお持ちではありませんか?
本記事では、効率優先の業者ではなく、“誠実さ”を何よりも大切にする私たちの支援スタンスを通じて、信頼できるM&Aの相談先の見極め方をお伝えします。
■本記事を読むと得られること
- 信頼できるM&A業者の見極め方がわかる
- 仲介とFAの違いと選び方が理解できる
- 質にこだわるM&A支援の実態がわかる
■本記事の信頼性
筆者はM&Aアドバイザー歴10年以上、200件超の支援実績を有し、中小企業庁の登録支援機関として誠実かつ迅速な対応を強みとしています。
この記事を読むことで、「誰に任せるか」がM&A成功の鍵である理由と、信頼できる専門家の見極めポイントが明確になるはずです。
3分ほどで読めますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. はじめに:M&Aの相談先、何を基準に選びますか?
M&Aを検討し始めた中小企業の経営者の多くが、まず最初にぶつかる壁は「誰に相談すればいいのか」という問題です。インターネットで検索すれば、大手から地域密着型まで多種多様なM&A仲介会社が表示され、どこも「実績多数」「専門家在籍」などとアピールしています。しかし、それらの情報だけで本当に信頼できる相談先を見極めることは難しく、慎重な判断が求められます。
とくに近年は中小企業のM&Aが一般化し、プレイヤーの数も急増しています。中には「とにかく数をこなす」「早く案件を成約させたい」といった“効率重視”のスタイルをとる業者もあり、そうした対応に不安を覚える経営者も少なくありません。実際、経済産業省が公表している「中小M&A推進計画」(2020年3月)では、信頼できる専門家の見極めが課題として挙げられており、M&A支援機関の登録制度が創設された背景にもなっています。
では、信頼できるM&Aの相談先を見極めるには、どのような基準が必要なのでしょうか?以下は、最も基本的な視点です。
- 相談対応の「誠実さ」や「姿勢」に一貫性があるか
- 担当者が数字や成約よりも、想いや背景を丁寧にヒアリングしてくれるか
- 「仲介」や「FA」という形式にとらわれず、最善の選択肢を一緒に考えてくれるか
このような視点が大切な理由は、M&Aが単なる数字の取引ではなく、「経営者の人生そのもの」に関わる大きな決断だからです。特に中小企業の場合、売却の背景には後継者問題、従業員への責任、顧客への信頼など、複雑で繊細な事情が絡んできます。だからこそ、数をこなすことよりも、「一件一件に真摯に向き合える支援者」との出会いが、M&Aの成否を大きく左右します。
たとえばある地方の製造業者は、売却相談を複数の業者に打診した結果、最終的に選んだのは「規模の小さな専門家集団」でした。その理由は、「どんな質問にも丁寧に答えてくれた」「不安やリスクについても包み隠さず伝えてくれた」ことだったそうです。その会社は無事、理念の合う買い手とマッチングし、従業員の雇用も守られました。
こうした実例からも分かるように、M&Aの相談先選びは「効率性」や「知名度」だけで判断すべきではありません。最終的に成約するかどうか以上に、「信頼して任せられる相手かどうか」が重要なのです。
本記事では、このような背景を踏まえ、「誠実であることがなぜM&Aにおいて大切なのか」「仲介かFAかといった形式を超えて、本質的に優れた支援とは何か」を段階的に掘り下げていきます。M&Aを検討するすべての経営者にとって、安心して相談できる相手を見つけるための視点が得られるはずです。
2. 信頼よりも効率?それでいいのかという問い
M&Aの現場では「効率」が強調される場面が少なくありません。早期の成約、高回転の案件処理、AIやテンプレートを駆使した自動化など、多くの仲介会社が「早く・たくさん売る」ことをアピールしています。しかし、私たちはそこに本質的な違和感を抱いています。
なぜなら、M&Aは「人」が中心の営みだからです。会社を譲るということは、単なる資産移転ではなく、経営者が長年かけて築いた事業と、その想い、社員や取引先との関係性までも受け渡すという極めて重たい意思決定です。そこに必要なのは、スピードよりも「信頼」です。
経済産業省が令和2年に発表した「中小M&A推進計画」では、M&Aが今後ますます一般的になっていくことを見越して、支援の質の確保が重要であると明記されています。また、同計画内でのアンケート調査によると、M&Aを実施した経営者のうち「支援者との信頼関係が成否を分けた」と答えた割合は70%を超えており、スピードや価格よりも「人」が決め手になっていることがわかります。
一方で、効率性を重視した支援には、以下のような問題が起きやすくなります。
- 買い手側の理解が浅いまま契約が進み、後でトラブルになる
- 売主の希望よりも「成約のしやすさ」が優先される
- 十分な情報開示がされないまま、短期間でクロージングされる
これらはすべて「売主と買い手の信頼関係」が築けていないことに起因しており、M&Aそのものの本来の意義を損なってしまいます。
たとえば、あるIT企業の売却相談で、他社から「3ヶ月以内に必ず成約させます」という売り文句を受けた経営者がいました。当初はそのスピードに魅力を感じたそうですが、いざ契約を進めていくと、相手企業とのシナジーが薄く、従業員の処遇にも不安が残る提案内容だったため、最終的には破談となりました。後にその経営者が選んだのは、少人数体制でじっくり向き合うスタイルの支援会社でした。時間こそかかったものの、最終的には理念の合う買い手と出会い、従業員も含めた円満な引き継ぎが実現しました。
このような例からも分かる通り、効率を追い求めすぎると、本当に大切なものが見えなくなるリスクがあります。特に中小企業のM&Aでは、スピードではなく「誠実さ」が最も大切な価値観になるべきです。
私たちアーク・パートナーズは、効率よりも信頼を優先する姿勢を徹底しています。たとえ短期間で成約できそうな案件であっても、売主様と買い手様の間に十分な理解と信頼が構築できていない場合には、あえて立ち止まり、「このまま進めてもよいのか?」と真剣に向き合います。
なぜなら、私たちは一件一件のM&Aを「人生の大切な節目」として扱っているからです。そして、そこに携わるからには、最後まで誠実に、丁寧に向き合う責任があると考えています。
結論として、M&Aにおいて最も大切なのは「信頼できるパートナーと出会うこと」です。効率性やスピードはもちろん重要な要素ですが、それ以上に、売主様に寄り添い、時に耳の痛いことでも正直に伝えてくれる「誠実な支援者」の存在こそが、M&A成功のカギとなります。
3. 数ではなく、質にこだわるという選択肢
3.1 アーク・パートナーズの「少数精鋭」スタイルとは
M&A支援の現場では、多くの案件を抱え「とにかく数をこなす」スタイルの会社が少なくありません。実際、大手のM&A仲介会社では、1人のアドバイザーが年間で数十件もの案件を担当することもあります。しかし、私たちアーク・パートナーズは、このようなやり方を選んでいません。私たちが大切にしているのは、“数”よりも“質”にこだわるという姿勢です。
「少数精鋭」とは、限られた数の案件を、少数のアドバイザーが最後まで責任を持って対応する体制のことです。つまり、一人ひとりのアドバイザーが案件を丁寧に扱い、売主様と深く向き合うことで、より高い満足度と成果を追求することができるのです。
このスタイルのメリットは次の通りです。
- 売主様の希望や価値観を深く理解し、きめ細やかな提案ができる
- 買い手企業にも丁寧な情報提供と交渉ができ、信頼関係が築ける
- 案件ごとに最適な戦略や買い手候補をじっくり検討できる
中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」でも、「過度な効率化は、売主・買い手双方にとってのリスクとなり得る」としており、誠実で丁寧なプロセスの重要性が繰り返し強調されています。
また、実際に私たちが対応したある製造業の案件では、初回の面談から成約まで約10ヶ月かかりましたが、売主様・買い手企業ともに「ここまで丁寧に対応してもらえるとは思わなかった」とのお声をいただきました。これは、担当アドバイザーが他の案件と並行せず、当該案件に専念して向き合ったからこそ得られた結果です。
「少数精鋭」は、決して派手な売り文句にはなりませんが、売主様の未来に本当に寄り添うための、最も確実な支援体制だと私たちは信じています。
3.2 一件一件に全力を注ぐ理由
M&Aは経営者にとって「人生を左右する決断」であり、一件ごとに全く異なる背景や事情があります。だからこそ、私たちはどんな案件であっても「1社に全力で向き合う」姿勢を崩しません。
多くの仲介会社では、成約件数をKPI(重要業績評価指標)としてアドバイザーに課すため、どうしても“効率化”や“スピード重視”の方向に傾きがちです。すると、本来は丁寧にヒアリングすべき課題や懸念を見逃してしまうことがあり、最終的には「成約はしたが、従業員が離職した」「買い手との関係が悪化した」といった事態を招くリスクが高まります。
私たちが一件一件に時間と労力をかけるのは、次のような理由からです。
- 売主様ごとに異なる経営の背景・理念・家族事情などを丁寧に把握する必要があるため
- 買い手候補との面談や交渉で、信頼関係を築くには時間がかかるため
- 誤解やすれ違いを防ぎ、スムーズな統合を実現するため
たとえば、ある地方の建設会社のケースでは、創業社長の強いこだわりと、従業員の雇用継続が最大の条件でした。表面的な条件だけ見れば、すぐに買い手は見つかりそうな案件でしたが、私たちは6社以上の候補企業との対話を重ね、「企業理念と人材重視の経営姿勢が一致する相手」を選定しました。その結果、譲渡後も社員のモチベーションは下がることなく、むしろ業績が向上したという好事例につながりました。
このように、時間をかけてでも「納得感のあるM&A」を実現するためには、ひとつの案件に本気で向き合う覚悟が必要です。中小企業のM&Aにおいては、効率よりも“関係構築の質”がその後の成否を大きく左右するからです。
私たちは数をこなすのではなく、ひとつひとつのご縁を大切にし、その会社にとってベストな出口を探し続けます。それこそが、M&Aにおける本当のプロフェッショナリズムであると考えています。
4. 「仲介」か「FA」かにこだわらない本質的支援
4.1 そもそも仲介とFAの違いとは?
M&Aの相談先を探すとき、「仲介会社」か「FA(ファイナンシャル・アドバイザー)」かという違いをよく耳にします。しかし、この2つの違いがわかりにくく、何を基準に選べばよいか迷う方も多いのではないでしょうか。
まず仲介会社とは、売り手と買い手の両方の間に立ち、契約成立までを支援する立場です。あくまで「中立な立場」とされており、両者の意見をすり合わせて調整役を果たします。一方、FAは一方の当事者に専属してアドバイスや交渉を行う立場で、主に売り手側または買い手側どちらかの代理人のような役割を担います。
区分 | 仲介 | FA(アドバイザー) |
---|---|---|
契約関係 | 売り手・買い手両方と契約 | 売り手または買い手の一方と契約 |
立場 | 中立的 | クライアントに専属 |
報酬 | 両者から手数料を受け取る | クライアントのみから報酬を得る |
役割 | 取引をまとめる調整役 | 交渉・戦略・意思決定の支援 |
この違いを正しく理解しておくことは非常に重要です。なぜなら、同じ「M&A支援」であっても、その立場によって提案の内容やゴールが異なるからです。たとえば仲介の場合、取引が成立すれば両者から報酬が得られるため、どうしても「早く・確実に成約させる」インセンティブが働きやすくなります。一方FAであれば、売り手の利益や意向を最優先に、妥協せず交渉できる強みがあります。
実際、中小企業庁が推進する「M&A支援機関登録制度」でも、仲介とFAの立場を明確に区別するようガイドラインに示されており、利益相反リスクの回避が大きな課題とされています。したがって、支援を受ける側としては、この違いを理解したうえで「自社にとってどちらが適しているか」を判断することが大切です。
4.2 枠組みよりも「誰がやるか」が大事
とはいえ、実際の現場では「仲介だから信用できない」「FAだから安心」という単純な話ではありません。なぜなら、M&Aの支援において最も大切なのは、支援者の肩書きではなく、その人の“姿勢と力量”だからです。
たとえば、ある中小企業の経営者がFAに相談したところ、過度にリスクを煽ることで高額な手数料を正当化されたり、売却を急かされたケースがありました。逆に、仲介スタイルを採っている会社でも、売主と買い手の双方に対し、誠実かつ丁寧な対応を続け、最終的に双方から感謝された事例も存在します。
つまり、本当に見るべきは「仲介かFAか」ではなく、以下のような支援者の本質です。
- 売主や買い手の価値観に寄り添えるか
- 情報を隠さず、透明性の高い対応ができるか
- 短期の成約より、長期的な満足を優先できるか
- 専門知識と経験を活かし、冷静な判断ができるか
このような視点から見たとき、私たちアーク・パートナーズが大切にしているのは、形式よりも「中身と信頼関係」です。ご依頼が仲介形式であれFA形式であれ、私たちは売主様にとって最善の形を提案する柔軟性を持ち、そのうえで「この人に任せてよかった」と言っていただける関係性づくりに注力しています。
そのため、初回面談の段階から、以下のような確認を徹底しています。
- ご相談の背景と真のご意向を丁寧にヒアリング
- 案件に応じて、仲介・FAどちらの体制が最適かを一緒に検討
- 将来の従業員・顧客・地域への影響まで考慮したご提案
一つの枠にこだわらず、その都度「何が最善か」を柔軟に考える姿勢こそが、本質的で誠実なM&A支援だと私たちは考えます。
結論として、M&Aの成功を左右するのは「仲介かFAか」という形式ではなく、「誰が、どのような姿勢で支援するか」に尽きます。形式にとらわれすぎず、信頼できるパートナーを見極めることが、納得できるM&Aへの第一歩です。
5. 売主に寄り添う姿勢――ときに「NO」と言う誠実さ
5.1 イエスマンではなく、本音を伝えるプロであること
M&Aの支援者として本当に求められるのは、売主の意向にただ迎合する「イエスマン」ではなく、時には耳が痛くても正しい判断を伝えられる“本音のパートナー”であることです。売主の希望や感情に寄り添いながらも、客観的な視点と専門的知見で冷静に進言できる支援者こそ、信頼されるべき存在といえるでしょう。
たとえば、売主が「もっと高く売れるはず」と過大な希望価格を掲げた場合、それをそのまま受け入れてしまうと、買い手候補が現れず時間ばかりが過ぎ、最終的に売却そのものが失敗するリスクがあります。だからこそ、実現可能性や市場相場といった“現実”をしっかり伝え、冷静な判断を促すことが重要です。
実際、中小企業庁が公表する「中小M&Aガイドライン」でも、支援者に求められる資質として「中立・公正であること」「必要な助言を行うこと」が明記されています。単に売主の言うとおりに動くのではなく、プロとしての責任をもって助言する姿勢が求められているのです。
私たちアーク・パートナーズでは、以下のような場面でも遠慮なく「NO」をお伝えします。
- 希望売却額が市場価格とかけ離れているとき
- 買い手との条件が不利で、将来的なリスクが高いとき
- 情報開示が不十分で、信頼関係を損なう恐れがあるとき
ある事例では、IT系企業のオーナーが「自社は急成長中だから、高値で売れるはず」として譲渡価格を2倍以上に設定しました。しかし私たちは、売上の大部分が単一顧客に依存している点を指摘し、客観的な根拠を提示しながら「その価格では買い手がつかない可能性が高い」と進言しました。最終的には市場価格に近い形で再提示したことで、信頼できる買い手との成約に成功し、双方が納得できる結果となりました。
このように、支援者が「NO」と言える姿勢は、結果的に売主の利益を守ることにつながります。売主と対等な立場で向き合い、あくまで“本質的な成功”を一緒に目指す――これが私たちの誠実さの証明です。
5.2 売主様と二人三脚で進める覚悟
M&Aは一度限りの大きな意思決定であり、多くの売主にとって初めての経験です。だからこそ、支援者は「先生」や「業者」ではなく、「伴走者」であるべきだと私たちは考えています。つまり、売主と同じ目線に立ち、悩み・不安・希望を共有しながら、二人三脚で進めていく姿勢が求められます。
そのため、アーク・パートナーズでは初回のご相談時から、売主様の価値観や想いを徹底的にヒアリングし、形式的な提案ではなく“人生に寄り添う提案”を心がけています。
二人三脚の支援には、以下のような具体的な特徴があります。
- 目先の成約より、将来の納得を最優先にする
- 売主の感情面(不安、葛藤、後悔)にも配慮する
- 経営者の想いを買い手に丁寧に伝える
- 社員や取引先への影響にも十分に配慮する
たとえば、ある老舗建設会社の譲渡案件では、創業者が「社員を守りたい」という強い想いを持っていました。私たちは、買収金額よりも社員の雇用継続や働きやすさを重視する方針で買い手候補を精査し、譲渡後も社員全員が安心して働き続けられる企業とのマッチングを実現しました。売主様からは「数字だけでなく、人の気持ちに寄り添ってくれた」と感謝の言葉をいただきました。
また、売主のなかには「家族にまだ話せていない」「社員に知られたくない」といった葛藤を抱える方も少なくありません。そうしたセンシティブな面に対しても、私たちは秘密保持と配慮を徹底し、安心してすべてを話していただける関係づくりを第一にしています。
このように、ただ売却を“決める”のではなく、売主と“向き合う”ことが、信頼関係を築くうえで最も大切です。成約という「結果」だけでなく、そのプロセスが納得できるものであることこそが、誠実なM&A支援だと私たちは確信しています。
まとめとして、真に信頼されるM&Aパートナーとは、売主の希望にただ従うのではなく、必要なときに「NO」と言い、二人三脚でゴールを目指す存在です。アーク・パートナーズは、そんな“誠実な伴走者”として、売主様の未来に責任を持って寄り添い続けます。
6. スピード感と誠実さは両立できるのか?
M&Aの現場では、「できるだけ早く売却したい」「時間をかけすぎると買い手が離れてしまう」といったスピードへの要望が多く寄せられます。一方で、売主にとって本当に大切なのは、スピードではなく「納得のいく相手に託せるかどうか」や「安心して任せられる支援者と伴走できるか」といった誠実さにある場合がほとんどです。
では、スピードと誠実さは両立できるのでしょうか?その答えは「イエス」です。ただし、それには条件があります。それは、「プロセスを省略するスピード」ではなく、「判断の速さと行動の質を両立させること」です。
中小企業庁の「中小M&A推進計画」(令和2年3月)によれば、M&Aの平均的なプロセス期間は6ヶ月~1年が目安とされており、過度に短期間での成約は、内容の不備やトラブルの元になるリスクがあると指摘されています。また、同調査では「誠実な支援がなされた場合、結果的に成約スピードも早まる傾向にある」という興味深い傾向も示されています。
この背景には、以下のような因果関係があります。
- 事前準備(資料整備、企業価値算定、開示姿勢)を丁寧に行う
- 売主・買い手間での誤解や情報のギャップを早期に解消する
- 適切な買い手の選定がなされ、無駄な交渉を回避できる
- 支援者がプロジェクト全体を的確にマネジメントする
つまり、誠実であることは決して「のんびりすること」ではなく、「無駄な時間をかけず、正しい手順で最短距離を進むための条件」とも言えるのです。
たとえば、私たちアーク・パートナーズが支援したあるサービス業のM&Aでは、譲渡準備から買い手決定までを約5ヶ月で終えました。その背景には、以下のような“誠実なスピード”の要素がありました。
- 初回面談時点での丁寧なヒアリングとリスクの洗い出し
- 企業価値評価の透明性を確保した上での価格設定
- 売主の想いや理念を的確に伝えるIM(企業概要書)の作成
- 買い手との複数回の面談を迅速に設定し、情報交換をオープンに行ったこと
結果として、買い手側の納得度も高く、契約締結後の統合作業も非常にスムーズに進行しました。これは、単なるスピードではなく、「誠実さをベースにしたスピードマネジメント」が機能した好例といえるでしょう。
一方で、誠実さを欠いたスピード重視のM&Aでは、以下のような問題が発生しがちです。
誠実さを欠いたケース | 主なトラブル例 |
---|---|
開示資料の作成を省略 | 買い手が不信感を抱き、破談 |
希望価格だけを優先 | 買い手とトラブルになり、契約後に解除 |
現場との対話を省略 | 従業員の離職・混乱が発生 |
こうした失敗を防ぐためにも、M&Aにおいては「誠実であること」をベースに、「最適なタイミングで的確な判断を積み重ねる」ことが求められます。私たちはそれを「誠実さの中に宿るスピード感」と表現しています。
結論として、スピードと誠実さは決して相反するものではありません。むしろ、誠実であるからこそ、無駄を省き、正しい道筋を迅速に進むことができるのです。アーク・パートナーズは、売主様の想いに真摯に寄り添いながら、最適なタイミングとスピードでの支援をお約束いたします。
7. M&Aは「安ければいい」ではない――手数料の考え方
7.1 適正な報酬とその根拠
M&Aにおける手数料は、決して「安ければ安いほど良い」という単純な話ではありません。手数料は支援者が提供する専門知識・交渉力・リスク管理能力など、多くの価値を含んだ「報酬」であり、適正な価格であることが重要です。
多くの中小企業がM&Aを初めて経験する中で、「なぜこんなに高額なのか?」「成果が出なければ払いたくない」といった不安の声が上がるのは自然なことです。しかし、実際にはその手数料が、以下のような専門的サービスに対する対価であることを理解する必要があります。
- 企業価値の評価(DCF法、マルチプル法など)
- 買い手候補の選定とアプローチ(ロングリスト、ショートリスト作成)
- 秘密保持契約、意向表明書、基本合意書などの文書支援
- 買い手との交渉、条件調整、契約締結までのマネジメント
- 税務・法務・人事など多分野にわたる統合支援(PMI)
これらは専門性が高く、かつ高い倫理性と交渉力を要する業務です。したがって、これらを誠実かつ適切に遂行するには、一定の報酬が必要となるのです。
実際、経済産業省が2021年に公表した「中小M&A支援人材の質の確保に関する報告書」では、M&A手数料の適正性について以下のような記述があります。
「中小企業においても、信頼できる専門人材による支援のためには、一定の報酬水準が必要不可欠であり、報酬額の多寡だけで支援の質を判断すべきではない」(出典:経済産業省)
安さだけを追求した結果、必要な業務が省略されたり、買い手とのミスマッチが起きたりすることで、かえって損失が大きくなるケースも少なくありません。
たとえば、他社に依頼した売主が「手数料が安いから」という理由だけで契約した結果、十分な情報開示もされず、買い手候補が次々に離脱。最終的にはM&Aそのものが流れたという事例もありました。逆に、報酬水準は一定以上であっても、しっかりと段取りと戦略を練り、丁寧な対応を行ったことで、短期間での成約と従業員の雇用維持を実現した例もあります。
つまり、重要なのは「金額」ではなく「中身」。支払う価値のある報酬かどうかは、支援者がどれだけ本気で向き合い、どれだけの責任を持って対応するかにかかっています。
7.2 ボランティアではなく、プロとしての矜持
私たちアーク・パートナーズは、M&A支援を「ビジネス」ではなく「責任ある社会的役割」としてとらえています。ただし、それはボランティアではありません。信頼と成果を提供するプロフェッショナルとして、相応の報酬をいただくことは当然のことと考えています。
たとえば、私たちが請け負う業務の中には、以下のような非常に手間のかかるプロセスがあります。
- 売主との複数回にわたるヒアリングと関係構築
- 買い手候補の調査・提案とカスタマイズされた資料作成
- 契約条件の交渉とトラブルリスクの回避
- 従業員・家族・地域社会への配慮を含めた総合的な支援
これらを一つひとつ丁寧に行うには、時間と労力、そして深い専門知識が必要です。その対価として報酬をいただくことは、むしろ「売主様と誠実に向き合い続ける覚悟の証」だと私たちは考えています。
もちろん、報酬に見合う価値を提供できなければ、私たちに依頼する意味はありません。だからこそ、私たちは契約前の段階から「何に対して、どれだけの報酬が発生するのか」を明確にし、誠実にご説明しています。
中には、「報酬を払ってまでM&Aを進める必要があるのか」と迷われる方もいらっしゃいます。しかしM&Aは、経営者の人生を左右する一大イベントであり、その成功には信頼できるプロの支援が不可欠です。そう考えると、適正な費用をかけることは、経営者自身の「安心」や「納得」を買うことにもつながるのです。
結論として、M&A支援における手数料は「安ければよい」ではなく、「誠実に支援するプロとしての価値があるか」で判断すべきです。アーク・パートナーズは、プロフェッショナルとしての誇りと責任を胸に、報酬以上の価値を提供し続けることをお約束します。
8. 事例でわかる、私たちの支援スタイル
8.1 過去の成功事例から見る姿勢と対応力
誠実なM&A支援とは、言葉や理論だけでなく、実際の行動と結果に現れるものです。私たちアーク・パートナーズがどのような姿勢でクライアントと向き合い、どんな対応をしているのか。その実例を通じてご紹介いたします。
ある地方の製造業者様は、後継者不在と市場環境の変化を背景に事業承継を決意されました。相談を受けた当初、オーナー様は「従業員を守れる相手に引き継ぎたい」という強い意志をお持ちであり、価格よりも理念の一致を最重視されていました。
私たちは、まず徹底的なヒアリングを実施し、オーナー様の想いや会社の価値を深く理解することからスタート。次に、買い手候補の選定では財務面だけでなく、経営哲学や社風との相性まで分析し、候補を4社に絞り込みました。中でもある企業は、従業員教育や地域貢献への姿勢が一致しており、実際の面談でも相互理解が深まりました。
その後、基本合意締結からデューデリジェンス、最終契約に至るまでのすべての過程で、私たちは「誠実な通訳者」として、売主と買い手の橋渡しを行いました。双方の意見が対立しそうな場面では、背景や意図を汲み取って丁寧に調整し、無理のない落とし所を見つけていきました。
結果的に、売主は希望通りの理念重視の譲渡が実現し、買い手企業も優秀な人材と安定した顧客基盤を獲得。さらに従業員の離職もゼロで、譲渡後1年経っても売上は安定的に推移しているとのご報告をいただいています。
このように、私たちは「売って終わり」ではなく、「その後も幸せなM&Aであるか」を意識して支援を行っております。
8.2 クライアントの声が物語る信頼性
支援の誠実さや対応力は、最終的にはクライアントの声に集約されます。以下は、過去に当社が支援した企業様から寄せられた感想の一部です。
業種 | 支援内容 | ご感想 |
---|---|---|
介護サービス業 | 後継者不在による第三者承継 | 「数字よりも人を見てくれた。心の支えにもなった」 |
IT開発企業 | ベンチャー企業の成長資金確保のための資本提携 | 「スピード感がありながら、リスク面も丁寧に教えてくれた」 |
食品製造業 | 大手企業との資本業務提携 | 「第三者にここまで親身になってもらえるとは思わなかった」 |
また、譲渡後のアンケートでは以下のような評価もいただいています。
- 「業者というより、信頼できる“伴走者”でした」
- 「社内や家族に話しにくいことも、自然と相談できました」
- 「利益ではなく、想いを大切にしてくれた姿勢が印象的でした」
これらの声はすべて、私たちが一件一件のご支援に真摯に向き合い、「誠実であること」を行動で証明してきた結果だと考えております。
M&Aは一生に一度あるかないかの重要な決断です。だからこそ、その支援者が本当に信頼に足る存在であるかどうかが、後悔のない選択のカギを握ります。
アーク・パートナーズは、派手な広告や数字ではなく、「実際に寄り添ってきた支援の積み重ね」で信頼を築いてきました。今後も、誠実さを軸に、中小企業の未来をともに創るパートナーであり続けます。
まとめ
M&Aは企業の未来を左右する大きな決断です。その成功には、形式や効率よりも「誰と進めるか」が何より重要です。誠実で、現場に寄り添い、対話を重ねる支援者こそ、信頼に値する本当のパートナーです。
- 数より質を重視する支援
- 形式より人で選ぶ重要性
- 本音で向き合う姿勢が鍵
アーク・パートナーズは、誠実に、丁寧に、そしてプロとしての誇りを持って、中小企業の未来に伴走します。詳しく知りたい方は、ぜひアーク・パートナーズまでお問い合わせください。
