保育園M&A完全ガイド|市場動向・特徴・注意点・成功事例までプロが解説
「保育園の事業承継を検討しているが、社会福祉法人ならどう進める?」「市場が成熟している中で、M&Aのメリットやタイミングがわからない」「事例を踏まえて失敗なく進めたい」——そんなお悩みはありませんか?
本記事では、保育園M&Aの全体像から具体的な手法・注意点・事例までを、初めての方にもわかる言葉で体系的に解説します。
■本記事を読むと得られること
- 保育園業界の市場動向と、M&Aが選ばれる背景・メリット・基本手法(合併/事業譲渡/法人間連携/理事交代)が一気に把握できる
- 社会福祉法人特有の制約(公益性・非営利性、所轄庁の認可など)と実務フローの“つまずきポイント”が事前にわかる
- 同業による規模拡大・他業種参入・後継者不在解消といった最新傾向を、具体事例ベースで意思決定に活かせる
■本記事の信頼性
筆者はM&Aアドバイザー歴10年以上/関与実績200件超。中小企業庁登録のM&A支援機関として、信頼性・誠実性・専門性・スピードを重視し、保育・教育分野の実務も担当してきました。
この記事を読み終える頃には、保育園M&Aの「何から・どう進めれば良いか」が明確になり、最適な手法選択とスムーズな行政対応、人材・保護者への丁寧な引き継ぎまで見通せるはずです。経営の想いを守りつつ、園児・保護者・職員にとって安心な承継を実現しましょう。

1. 保育園M&Aとは?基本の仕組みと注目される背景
保育園のM&Aとは、既に運営されている保育園を、他の法人や事業者が買収・譲受することで経営権を引き継ぐ取引のことです。これは新たに保育園を一から開設するのではなく、既存の施設や人材、利用児童、ノウハウなどをまとめて引き継ぐ方法であり、時間とコストを大幅に節約できるのが特徴です。
近年、保育園業界では市場の成熟化や少子化、待機児童問題の変化、経営者の高齢化と後継者不足などの背景から、M&Aの活用が注目されています。M&Aは単なる事業売買ではなく、地域の保育環境を守り、サービスの質を維持・向上させるための手段としても位置づけられています。
1.1 保育園業界の現状と課題
厚生労働省やこども家庭庁の統計によると、2015年度以降、全国の保育所定員数と利用児童数は右肩上がりで増加してきました。しかし、2020年代に入ってからは増加率が鈍化し、2024年時点では待機児童数が過去最少の2,567人まで減少しています(2017年には26,081人)。
この背景には、国や自治体による保育施設整備の推進や、保育士の確保に向けた施策の充実があります。一方で、待機児童問題の解消と少子化の進行により、入園希望者の伸びは鈍化し、一部の地域では定員割れが発生している保育園もあります。
さらに、保育士不足は依然として深刻です。厚生労働省の職業安定業務統計(2024年1月)によれば、保育士の有効求人倍率は3.54倍と高水準で、求人1件に対して応募者が少ない状況が続いています。加えて、経営者の高齢化や後継者不在問題も深刻化し、廃園リスクが高まっている園も少なくありません。
これらの課題を整理すると、以下のようになります。
- 待機児童の減少と需要の地域差
- 保育士不足による人材確保の難しさ
- 経営者の高齢化と後継者不在
- 少子化による園児数減少リスク
このような環境下で、経営資源の再配置や経営基盤の強化を目的として、M&Aが有効な選択肢として注目されています。
1.2 M&Aが増えている3つの理由
保育園業界においてM&Aが活発化している理由は、大きく分けて3つあります。
1. 人材確保と施設運営の効率化
新しく保育園を開設する場合、土地探しや施設建設、行政の認可手続きに加え、保育士などの人材確保が必要です。特に保育士の採用は難易度が高く、採用活動には時間とコストがかかります。既存園をM&Aで引き継ぐ場合、既に運営中の人員体制や園児が確保されているため、即時に運営を継続できます。
これは特に同業種間でのM&Aにおいて顕著で、複数の園を運営する法人がスケールメリットを活かして職員の配置や研修を一元化し、運営コストを削減するケースが多く見られます。
2. 他業種からの参入と事業多角化
保育園は安定した需要が見込める事業であり、少子化が進んでも共働き世帯の増加や多様な働き方の普及により一定の利用ニーズがあります。そのため、教育、医療、介護、不動産など他業種の企業が保育事業に参入する動きが増えています。
国も2016年の「企業主導型保育事業」の創設など、民間企業の参入を後押ししており、M&Aは新規参入者にとって短期間で事業基盤を整える有効な手段となっています。
参入事例の業種 | 保育園M&A活用目的 |
---|---|
医療法人 | 職員の子育て支援、福利厚生の充実 |
介護事業者 | 地域包括ケアとの連携強化 |
不動産会社 | 保育園併設住宅・商業施設の開発 |
3. 後継者問題の解消と地域保育の継続
中小規模の保育園では、園長や理事長の高齢化に伴い、後継者不在で廃園の危機に直面するケースがあります。廃園は園児や保護者に大きな影響を与え、地域の保育ニーズにも悪影響を及ぼします。M&Aによって経営権を承継することで、園の存続と地域保育の継続が可能となります。
例えば、ある地方都市では、70代の園長が健康上の理由で引退を決意しましたが、M&Aにより同地域で複数の園を運営する社会福祉法人が経営を引き継ぎ、職員の雇用と園児の保育環境が守られた事例があります。
まとめ
保育園M&Aは、施設運営の効率化、人材確保、他業種参入、後継者問題解消といった複数の課題を同時に解決できる有効な手段です。国や自治体の統計が示すように、保育園市場は成熟期に入りつつあり、地域や施設ごとのニーズに応じた柔軟な経営戦略が求められています。M&Aはその中で、保育の質を維持・向上しつつ事業を発展させる重要な選択肢となっています。
2. 保育園の種類と経営形態の違いを押さえよう
保育園と一口にいっても、運営形態や設置基準によっていくつかの種類に分かれています。それぞれの種類ごとに運営主体や利用条件、国や自治体からの補助の有無、施設基準などが異なり、M&Aの際の評価や手続きにも影響します。ここでは、代表的な4つのタイプについて整理し、特徴と違いをわかりやすく解説します。
2.1 認可保育園・認可外保育園の特徴
認可保育園は、児童福祉法や厚生労働省の定める「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」に基づき、職員配置や施設面積、安全管理など厳格な基準を満たしたうえで自治体から認可を受けて運営される保育園です。国や自治体からの運営補助金が交付されるため、利用料が比較的低く、保護者にとって利用しやすい施設といえます。一方で、入園には保護者の就労状況など一定の条件を満たす必要があり、申込から入園まで自治体を通じた手続きが必要です。
これに対し、認可外保育園は自治体からの認可を受けずに運営される保育園です。法律上は「認可外保育施設」と呼ばれ、設置主体に制限はなく、個人や株式会社など幅広い事業者が開設できます。施設基準は自治体の条例や国の「認可外保育施設指導監督基準」に従いますが、認可園ほど厳格ではなく、柔軟な保育サービス(夜間保育や一時保育など)を提供しやすい反面、運営費補助は限定的です。
厚生労働省の「認可外保育施設に関する調査」(令和4年度)によれば、全国の認可外保育施設数は約6,000施設で、全体の約8割が都市部に集中しています。都市部では共働き世帯の多様なニーズに応える形で、認可外施設が重要な役割を担っています。
項目 | 認可保育園 | 認可外保育園 |
---|---|---|
設置主体 | 法人のみ(社会福祉法人、株式会社、学校法人など) | 法人・個人いずれも可 |
国・自治体の補助金 | あり(運営費・人件費補助) | 一部あり(自治体による) |
入園手続き | 自治体を通じて申込 | 直接園に申込 |
基準 | 国の設置・運営基準を満たす必要あり | 指導監督基準に準拠(認可園より緩やか) |
柔軟な保育サービス | やや難しい | 比較的容易(夜間保育・休日保育など) |
例えば、東京都心部のある認可外保育園は、夜間22時まで開園し、シフト勤務の保護者や不規則な働き方をする家庭に利用されています。こうした柔軟な対応は認可外だからこそ可能なサービスであり、M&Aによって事業展開を広げる企業にとっても魅力的なポイントです。
2.2 企業主導型保育園・認定こども園の特徴
企業主導型保育園は、2016年に内閣府が創設した「企業主導型保育事業」に基づく新しい保育の形です。企業が従業員のために設置する保育園で、事業主拠出金を財源として国から整備費や運営費の助成を受けられます。企業単独だけでなく、複数企業が共同で設置することも可能で、地域住民枠を設けることで従業員以外の子どもも受け入れられます。保育時間やサービス内容は比較的柔軟で、延長保育や短時間保育、病児保育など、多様な働き方に合わせた運営が行われます。
内閣府の公表データ(令和4年度)によると、全国の企業主導型保育施設数は約3,000カ所に達し、その多くが都市部や企業集積地に立地しています。M&Aの際は、助成金制度の適用条件や運営継続のための契約条件を精査する必要があります。
認定こども園は、幼稚園と保育園の機能を併せ持つ施設で、教育と保育を一体的に提供します。2006年に制度化され、幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型の4タイプがあります。0歳から5歳までの子どもを受け入れられるため、保護者は就労の有無に関わらず利用可能で、地域の子育て支援拠点としても機能します。
文部科学省・厚生労働省・内閣府の合同統計(令和5年度)では、全国の認定こども園は約8,000施設となっており、地方部での普及が進んでいます。特に、過疎地域や小規模自治体では、教育・保育の両機能を備える認定こども園が、地域の子育てインフラの中心になっているケースが多く見られます。
項目 | 企業主導型保育園 | 認定こども園 |
---|---|---|
設置主体 | 企業・法人(単独または共同) | 学校法人、社会福祉法人、自治体など |
国の助成 | 整備費・運営費助成あり | 公費負担あり |
利用対象 | 従業員の子ども+地域枠 | 0~5歳の全ての子ども |
サービス柔軟性 | 高い(延長・夜間・短時間保育など) | 標準保育時間+教育時間 |
特徴 | 働き方に応じた保育サービス | 教育と保育の一体提供 |
例えば、大手IT企業が本社ビル内に企業主導型保育園を設置し、従業員だけでなく近隣住民の子どもも受け入れることで、地域との関係強化と企業イメージ向上を同時に実現した事例があります。一方、地方の認定こども園では、地元の小学校との交流や行事連携を通じ、幼児期から地域コミュニティに溶け込む教育が行われています。
このように、保育園の種類や経営形態はそれぞれ特徴があり、M&Aの際には運営基準、補助金の有無、対象児童、サービス提供の柔軟性などを総合的に評価することが重要です。どのタイプの保育園を引き継ぐかによって、事業計画や必要な手続きも大きく変わってきます。
3. 市場規模と動向から見る保育園M&Aの今後
保育園M&Aの動向を理解するためには、業界全体の市場規模や需要の変化を押さえることが不可欠です。特に「待機児童問題の解消」と「少子化・働き方改革による需要の変化」は、今後の事業展開やM&A戦略に直結します。ここでは、最新の統計データや事例を交えながら、業界の現状と今後の見通しを解説します。
3.1 待機児童問題の解消と成長鈍化
かつて保育園業界を語る上で欠かせなかったのが「待機児童問題」です。保護者が入園を希望しても、定員不足や施設不足のために入園できない子どもが多数存在し、特に都市部では深刻な社会問題となっていました。
しかし、こども家庭庁が発表した「保育所等関連状況取りまとめ(令和6年4月1日)」によると、全国の待機児童数は2017年の26,081人から年々減少を続け、2024年にはわずか2,567人まで減少しました。これは約7年間でおよそ90%以上の減少という大きな改善です。
この背景には、国や自治体による以下のような施策があります。
- 保育所の新設・定員拡大(都市部を中心に施設整備を推進)
- 保育士の処遇改善と人材確保施策
- 企業主導型保育事業の導入による多様な保育サービスの提供
ただし、待機児童の減少は業界全体の「成長鈍化」を意味します。これまで新規開園によって市場規模を拡大してきた事業者にとっては、施設稼働率や収益性を維持するための戦略転換が求められる局面です。
特に地方や人口減少が進むエリアでは、園児数の減少に伴い定員割れが発生している施設もあり、運営効率の見直しやM&Aによる経営統合の動きが加速しています。
例えば、関東地方のある社会福祉法人では、複数の園で園児定員が埋まらず運営効率が低下したため、近隣の法人と合併。職員配置の最適化や給食センターの共同利用などを行い、経営の安定化を図った事例があります。
このように、待機児童問題の解消は保護者にとって歓迎すべき変化である一方、事業者にとっては「競争激化」「収益構造の見直し」という新たな課題をもたらしているのです。
3.2 少子化・働き方改革がもたらす需要変化
待機児童問題の解消と並行して、保育園業界の将来に大きく影響しているのが「少子化」と「働き方改革」です。
総務省統計局の「人口推計(令和5年)」によると、日本の合計特殊出生率は1.26と過去最低水準にあり、出生数は77万人程度まで減少しました。これは20年前と比べて約3割減であり、今後も長期的な子どもの減少が見込まれています。
園児数の減少は保育園の利用需要全体を押し下げますが、一方で「共働き世帯の増加」や「多様な働き方の広がり」が新たな需要を生み出しています。厚生労働省の「就業構造基本調査」によれば、共働き世帯数は年々増加し、専業主婦世帯の約2倍に達しています。
さらに、働き方改革関連法の施行やテレワークの普及により、以下のような多様な保育ニーズが拡大しています。
- 短時間保育・一時預かりサービス
- 夜間保育や休日保育
- 病児・病後児保育
- 企業内・企業主導型保育施設の利用
例えば、東京都内のある企業主導型保育園では、保護者の在宅勤務日数に応じて保育時間を柔軟に変更できる仕組みを導入し、従業員満足度と稼働率の両方を向上させています。
また、少子化によって園児1人あたりにかけられる教育・保育の質を高める動きも広がっています。英語教育やIT教育、食育プログラムなど特色あるカリキュラムを導入し、差別化を図る園も増加しています。こうした付加価値型サービスは、M&Aで事業を引き継ぐ際の競争力向上にもつながります。
ただし、需要変化に適応できない園は、利用者減少によって経営が悪化するリスクが高まります。特に地域需要や保護者ニーズに合わないサービス構成のままでは、定員割れが続き、M&Aによる事業再編の対象となる可能性が高くなります。
このため、今後の保育園M&Aでは、単に施設を引き継ぐだけでなく、地域の人口動態・保育ニーズ・労働市場の変化を分析し、柔軟なサービス設計を組み合わせることが成功の鍵となります。
まとめ
保育園業界は、待機児童問題の解消により市場拡大期から成熟期へと移行しつつあります。少子化は長期的な需要減少要因ですが、共働き世帯の増加や働き方の多様化が新しい需要を生み出しており、対応できる事業者には成長のチャンスがあります。今後のM&Aでは、単なる規模拡大ではなく、地域や保護者ニーズに応じたサービス戦略と運営効率化が不可欠です。
4. 保育園M&Aの主なパターンと目的
保育園業界で行われるM&Aには、大きく分けて「同業種間」「他業種からの参入」「後継者不足解消」という3つのパターンがあります。それぞれのパターンには異なる目的やメリットがあり、背景となる市場環境や経営課題も異なります。ここでは、国や自治体の統計、実際の事例を交えながら解説します。
4.1 同業種間のM&A(施設・人材確保)
同業種間M&Aとは、すでに保育事業を運営している法人同士が施設や経営権を譲渡・譲受する取引です。このパターンでは、既存のノウハウや人材、運営体制をそのまま引き継ぐことができ、事業拡大のスピードが早いのが特徴です。
特に保育園業界では保育士不足が深刻で、厚生労働省の職業安定業務統計(令和6年1月時点)によると保育士の有効求人倍率は3.54倍と高水準です。新規で保育園を開設しても、人材が確保できなければ運営が成り立ちません。そのため、既に職員を抱えている園をM&Aで取得することは、施設と人材を同時に確保できる有効な手段です。
また、複数の園を運営する法人が他の園を取り込むことで、給食や事務管理などの共通業務を一本化し、スケールメリットによるコスト削減も実現できます。
- メリット:人材確保、運営ノウハウの共有、地域ブランドの強化
- 注意点:職員の雇用条件や園の運営方針の違いによる摩擦
事例:関西地方のある社会福祉法人は、近隣で運営されていた中規模の認可保育園2園を同時にM&Aで取得しました。これにより、職員のシフトをグループ内で調整できるようになり、急な欠員にも対応可能となりました。また、食材や教材の共同仕入れで年間数百万円のコスト削減を実現しました。
4.2 他業種からの参入
他業種からの参入とは、教育、医療、介護、不動産、商業施設運営など、保育園事業を本業としていない企業がM&Aを通じて保育事業に新規参入することです。
内閣府の「企業主導型保育事業」制度(2016年開始)は、企業が自社従業員の子どもの保育や地域貢献を目的に保育園を設置することを後押ししており、整備費や運営費に助成金が支給されます。これにより、保育事業が企業の福利厚生や地域戦略の一環として注目され、他業種からの参入が加速しました。
他業種参入のメリットは、自社の既存事業とシナジー(相乗効果)を生み出せる点です。
- 医療法人:病院・クリニック併設型保育園で職員の定着率向上
- 介護事業者:介護施設との複合拠点化による地域包括ケアの強化
- 不動産会社:住宅や商業施設と保育園を組み合わせた開発計画
事例:大手不動産デベロッパーが、都市部の商業施設内に認可外保育園をM&Aで取得し、ショッピングと保育を組み合わせた新たな顧客サービスを展開。来店者の滞在時間が延び、施設全体の売上アップにつながった例があります。
4.3 後継者不足解消の手段として
中小規模の保育園では、経営者の高齢化や後継者不在が深刻化しています。全国的にも、保育園の設置主体である社会福祉法人や株式会社の代表者平均年齢は60歳を超えるケースが多く、引退を考えても身内や信頼できる後継者が見つからない状況があります。
後継者がいないまま園を閉鎖すれば、地域の保育需要に大きな影響を与えます。そのため、M&Aによって経営権を譲渡し、運営を継続させることは、園児・保護者・職員にとってもメリットの大きい選択肢です。
特に社会福祉法人同士のM&A(合併)は、法人格を維持したまま経営統合できるため、地域での信用や行政との関係性を活かした運営継続が可能です。
- メリット:園の存続、職員雇用の維持、地域保育サービスの継続
- 注意点:譲渡条件や法人間の文化の違いを事前に調整する必要
事例:東北地方のある小規模認可保育園は、園長の引退を機に後継者が見つからず廃園危機に直面しましたが、同地域で複数園を運営する社会福祉法人が引き受け、園の名称や職員をそのまま維持。保護者の不安を最小限に抑えつつ、運営体制の改善も同時に行いました。
まとめ
保育園M&Aは、「同業種間による効率化・人材確保」「他業種からの新規参入によるシナジー創出」「後継者不足解消による地域保育の継続」という3つの主なパターンがあります。それぞれの背景や目的を理解することで、自社や地域の状況に最も適したM&A戦略を描くことができます。今後も市場環境の変化に応じて、これらのパターンを組み合わせた柔軟なM&Aが増えていくと考えられます。
5. 社会福祉法人が関わるM&Aの特徴と制約
保育園の経営主体として多いのが「社会福祉法人」です。特に認可保育園の多くは社会福祉法人によって運営されており、M&Aを検討する際にはこの法人形態特有の特徴や制約を理解しておくことが欠かせません。株式会社のM&Aとは異なる法的枠組みや手続きが求められるため、事前に十分な準備が必要です。
5.1 社会福祉法人とは
社会福祉法人は、社会福祉法に基づき設立される非営利法人です。主な目的は、児童、高齢者、障害者などへの福祉サービス提供であり、保育園事業は「第二種社会福祉事業」に位置づけられています。
特徴的なのは、利益を株主や役員に分配できない「非営利性」と、公共性の高さです。厚生労働省が管轄し、設立や事業内容の変更、合併などは所轄庁(都道府県や指定都市)の認可が必要となります。
また、社会福祉法人には財務や運営に関して以下のような規制があります。
- 剰余金は法人外に分配できず、事業目的のために再投資する必要がある
- 役員やその親族に特別な利益を与えることは禁止されている
- 決算や事業報告を所轄庁に提出し、情報公開する義務がある
厚生労働省「社会福祉法人の現況(令和5年)」によれば、全国の社会福祉法人は約2万法人あり、そのうち保育所事業を運営する法人は約1万法人と半数近くを占めています。これは、認可保育園の設置要件において社会福祉法人が優遇されてきた歴史的背景によるものです。
5.2 株式譲渡ができない理由と代替手法
株式会社では、経営権の移転に株式譲渡が一般的に用いられます。しかし、社会福祉法人には「株式」という概念が存在せず、所有権と経営権が分離していません。そのため、株式譲渡によるM&Aは不可能です。
この理由は、社会福祉法人が非営利法人であり、出資者や株主といった営利的な所有者がいないためです。経営権は理事会が持ち、法人の意思決定は理事によって行われます。そのため、M&Aで経営権を移す場合には、別の方法が必要となります。
代表的な代替手法は以下の通りです。
手法 | 概要 | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|
合併(吸収合併・新設合併) | 2つ以上の社会福祉法人を統合する方法 | 法人格・認可を維持したまま事業承継できる | 所轄庁の認可が必要、職員や利用者への説明が必須 |
事業譲渡 | 保育園の運営に必要な資産・契約を他法人へ譲渡 | 特定事業のみを移転可能 | 不動産や契約の名義変更手続きが必要 |
法人間連携 | 「社会福祉連携推進法人制度」を活用して複数法人が協力 | 経営は独立のまま事業や資源を共有 | 統合ではないため、経営権移転は限定的 |
理事の交代 | 理事会の構成を変更し、経営権を移す | 比較的スムーズに移行できる | 内部合意形成が不可欠 |
例えば、令和4年に導入された「社会福祉連携推進法人制度」では、複数の社会福祉法人が共同で資材購入や人材育成を行えるようになりました。これはM&Aではありませんが、将来の合併や事業譲渡の前段階として活用されるケースもあります。
事例:中部地方のある社会福祉法人Aは、経営不振に陥った近隣法人Bと吸収合併を実施。園児や職員はそのまま引き継ぎ、法人の規模拡大により共同調達や職員研修を強化しました。これにより、経営安定化とサービスの質向上を同時に達成しました。
まとめ
社会福祉法人は、非営利性と公共性の高さゆえに、株式会社のような株式譲渡によるM&Aはできません。その代わり、合併、事業譲渡、法人間連携、理事交代などの方法を用いて経営権や事業を移します。これらの手法はいずれも所轄庁の認可や関係者への丁寧な説明が必要であり、法的・実務的なハードルは高めです。保育園M&Aを検討する際は、この特性を理解した上で、最適なスキームを選択することが重要です。
6. 保育園M&Aの具体的手法
保育園M&Aの実行方法は、経営主体や目的、法的制約によって異なります。特に社会福祉法人が多く関わる保育園の場合、株式会社のように株式譲渡で経営権を移すことはできないため、代わりに「合併」「事業譲渡」「法人間連携」「理事交代」などの方法が採用されます。それぞれの手法にはメリットと注意点があり、適切な選択がM&Aの成否を左右します。
6.1 合併(吸収合併・新設合併)
合併は、2つ以上の法人を統合する方法です。社会福祉法人同士の合併には、主に「吸収合併」と「新設合併」の2種類があります。
- 吸収合併:一方の法人(存続法人)が他方(消滅法人)の権利義務をすべて引き継ぐ方法
- 新設合併:既存の法人を解散させ、新たに設立する法人が両方の権利義務を引き継ぐ方法
厚生労働省の「社会福祉法人の合併等に関する指針」によると、合併には所轄庁の認可が必要で、職員や利用者への事前説明、資産・負債の引き継ぎ計画の作成が求められます。
メリットとしては、法人格や認可を維持したまま事業を承継でき、規模拡大や経営資源の共有が可能になる点が挙げられます。一方、文化や経営方針の違いによる摩擦、統合作業の負担が課題となる場合があります。
事例:九州地方の社会福祉法人AとBが、保育園運営の効率化を目的に吸収合併を実施。統合後は職員研修や給食センターを共同利用し、年間で数百万円のコスト削減を達成しました。
6.2 事業譲渡
事業譲渡は、法人が運営する保育園の事業そのものを他法人へ譲り渡す方法です。土地・建物、保育士の雇用契約、園児との契約など、保育運営に必要な資産・権利を包括的または選択的に移転します。
この方法は、特定の園だけを譲渡したい場合や、法人全体ではなく事業単位での移転を希望する場合に有効です。譲渡契約の対象範囲を柔軟に設定できるため、不要な資産や負債を引き継がずに済むメリットがあります。
ただし、契約や登記、認可手続きが個別に必要で、時間と手間がかかる場合があります。また、譲渡後の職員・保護者との信頼関係構築も重要です。
事例:首都圏の社会福祉法人が経営改善のため、稼働率の低い1園を別法人に事業譲渡。譲渡先は地域で複数園を運営する法人で、受け入れ体制が整っていたため、スムーズに保護者・職員の不安を解消しました。
6.3 法人間連携・理事交代
近年導入された「社会福祉連携推進法人制度」により、複数の社会福祉法人が法人格を維持したまま経営資源を共有できるようになりました。これが「法人間連携」です。
法人間連携のメリットは、合併のような完全統合ではないため、各法人の独立性を保ちながら人材交流、研修、物資調達などを共同で行える点です。将来的な合併の前段階として活用されるケースも増えています。
また、「理事交代」は、理事会の構成を変更して経営権を移す方法です。法人そのものは変わらず、運営の意思決定権を新しい理事に移行します。この方法は比較的短期間で実施でき、職員や園児への影響も少ないのが特徴です。ただし、内部合意形成が不可欠で、現経営陣と譲受側の信頼関係が前提となります。
事例:東北地方の小規模社会福祉法人は、理事長の引退を機に、地域の大規模法人と理事交代を実施。新理事長のもとで財務改善とサービス品質向上が進み、地域での評価も高まりました。
まとめ
保育園M&Aの手法には、合併、事業譲渡、法人間連携、理事交代といった多様な選択肢があります。社会福祉法人が多い業界特性から、株式譲渡ができない分、これらの手法を適切に選び、所轄庁の認可や関係者への説明を丁寧に行うことが重要です。目的や状況に応じて最適なスキームを選ぶことで、経営安定化と保育サービスの継続を両立させることができます。
7. 実施時の注意点と成功のためのポイント
保育園M&Aを進める際には、単に契約や財務条件だけでなく、業界特有の法制度や公益性、関係者との信頼関係を重視することが欠かせません。特に社会福祉法人が関わるケースでは、非営利性や所轄庁の認可など、一般企業のM&Aとは異なる注意点があります。ここでは、成功に直結する3つの重要ポイントを解説します。
7.1 公益性・非営利性への配慮
保育園の多くは社会福祉法人や自治体からの認可を受けており、「公益性」「非営利性」が法律で求められています。
社会福祉法第24条では、社会福祉法人はその事業を公共の利益のために行い、利益を構成員に分配してはならないと明記されています。このため、M&Aにおいても営利目的の色合いが強すぎる取引は認められません。
公益性・非営利性を保つためには、以下のような点に配慮する必要があります。
- 譲受先法人が同等以上の保育サービス水準を維持できること
- 譲渡後も地域や保護者への説明責任を果たすこと
- 職員の雇用や労働条件を適切に引き継ぐこと
実例:中部地方の社会福祉法人が、経営難のため同地域の大手法人に保育園を譲渡した事例では、譲渡契約の中に「園児定員や保育料は5年間据え置く」「既存職員の雇用条件を変更しない」といった公益性確保の条項を盛り込み、所轄庁の認可をスムーズに取得しました。
7.2 所轄庁の認可や行政手続き
保育園M&Aでは、所轄庁(都道府県や政令指定都市など)の認可が必須です。これは、運営主体の変更や施設の承継が、地域の保育行政や子どもの福祉に直結するためです。
例えば、社会福祉法人の合併や事業譲渡には、社会福祉法第45条の規定に基づく認可申請が必要で、以下のような資料提出が求められます。
- 合併契約書または事業譲渡契約書
- 財産目録・貸借対照表・事業計画書
- 職員体制表と雇用継続計画
- 園児・保護者への説明記録
また、法人間連携や理事交代の場合も、登記変更や定款変更の認可申請が必要になるケースがあります。行政手続きは数か月単位の時間を要するため、M&Aスケジュールには余裕を持たせることが大切です。
実例:関西地方で事業譲渡を行った法人は、所轄庁との事前協議を開始したことで、申請書類の不備を早期に発見・修正でき、結果として予定通りのタイミングで譲渡を完了させました。
7.3 人材・保護者対応の重要性
保育園M&Aにおける最大のリスクは、職員や保護者の不安や不信感による離職・転園です。経営主体が変わることで、労働条件や保育方針、サービス水準が低下するのではないかという懸念が生まれます。
これを防ぐためには、以下のような取り組みが効果的です。
- 譲渡・譲受双方の代表者が出席する説明会を開催し、質疑応答の場を設ける
- 雇用条件や園運営方針の変更有無を文書で明確に伝える
- 引き継ぎ期間中に双方の職員が交流できる場を設け、信頼関係を構築する
- 保護者への案内文は早めに配布し、個別相談にも応じる
実例:首都圏の企業主導型保育園が別法人に譲渡された際、譲受法人は3か月前から複数回の説明会を開催し、園児の保護者一人ひとりと面談を行いました。その結果、譲渡後の転園希望者はゼロで、職員の離職も発生しませんでした。
まとめ
保育園M&Aの成功には、公益性・非営利性の維持、所轄庁の認可取得、そして人材・保護者対応という3つの柱が欠かせません。これらは単なる手続きや条件設定ではなく、地域社会からの信頼を守るための基盤です。法的要件と同時に、関係者の安心感を確保するためのコミュニケーション戦略を組み込み、計画的に進めることが、スムーズな承継とその後の安定運営につながります。
8. 実際の保育園M&A事例から学ぶ
保育園M&Aを検討する上で、実際の事例から学べることは非常に多くあります。特に大手グループによる規模拡大や、地域密着型施設の事業譲渡は、目的や進め方、関係者対応の違いが顕著に現れます。ここでは2つの代表的な事例を紹介し、それぞれの特徴や成功要因を解説します。
8.1 大手グループによる規模拡大事例
全国展開している大手保育グループは、少子化や待機児童減少といった市場変化の中でも、M&Aを積極的に活用しています。目的は新規開園のスピードを高めることと、人材確保、地域ブランドの獲得です。
例えば、大手グループA社は、首都圏で複数園を運営する社会福祉法人Bと事業譲渡契約を締結しました。B法人は後継者不在と財務負担の増加から運営継続が困難となっていましたが、A社が譲り受けることで以下の効果が得られました。
- 既存園舎・設備をそのまま活用することで、新規開園よりも低コスト・短期間で運営開始
- 在籍する保育士の雇用継続と処遇改善による離職防止
- 大手グループの教育・研修制度導入による保育の質向上
この事例では、所轄庁との事前協議や保護者説明会を早期に実施し、不安の解消に努めたことが成功要因となりました。大手グループによるM&Aは、資金力とブランド力を活かしながら、地域の保育需要に即応できる点が強みです。
8.2 地域密着型施設の事業譲渡事例
一方で、地域密着型の小規模保育園が、同じ地域の他法人へ事業譲渡する事例も増えています。これは、地域に根ざした運営を維持しながら経営を安定させることを目的としています。
例として、地方都市で20年以上運営してきた認可保育園C園は、園長の高齢化と後継者不足により、同市内の社会福祉法人Dに事業を譲渡しました。D法人は複数の保育施設を運営しており、C園の保育理念や職員構成を尊重した運営を継続しました。
譲渡後のメリットは以下の通りです。
- D法人の経営基盤による安定的な資金運営
- 職員の研修機会やキャリアパスの拡大
- 地域イベントや子育て支援活動の継続による保護者満足度の維持
この事例では、地域住民との信頼関係を壊さないために、譲渡決定後すぐに地域説明会を開催し、「園名・方針・行事は変えない」という明確な約束を行いました。その結果、保護者からの反発はなく、職員の離職もほぼゼロでした。
まとめ
大手グループによるM&Aは、資本力と運営ノウハウを活かしたスピード感ある拡大が可能で、設備・人材の有効活用に強みがあります。一方、地域密着型施設同士の譲渡は、保育理念や地域との関係性を維持しやすく、安心感のある承継が実現しやすいです。どちらのケースも、所轄庁との連携と、職員・保護者への丁寧な説明が成功の鍵となります。自園の課題や目指す方向性に合わせ、最適なM&Aの形を選択することが重要です。
9. 保育園M&Aを検討する際のステップ
保育園のM&Aは、単に契約を結ぶだけでなく、事前準備から引き継ぎ後の運営まで一連の流れを丁寧に進めることが成功の鍵となります。特に社会福祉法人が関わる場合や、認可保育園の譲渡では、所轄庁の認可や地域との信頼関係維持が不可欠です。ここでは、実務でよく採用される3つの主要ステップを解説します。
9.1 事前準備と専門家選び
保育園M&Aの成功は、事前準備の質に大きく左右されます。まず、自園の財務状況や人員構成、施設の状態などを整理し、現状の強みと課題を明確化します。
加えて、保育園特有の法的制約(社会福祉法人の場合は株式譲渡不可、所轄庁認可が必要など)を理解しておくことが重要です。
準備段階で行うべき主な作業は以下の通りです。
- 財務諸表や運営実績、園児数推移などの資料整備
- 施設設備の点検と必要な修繕箇所の把握
- 人材構成(保育士資格者数・勤続年数・雇用契約形態)の整理
- 保護者や職員への情報開示タイミングの検討
また、この段階でM&Aアドバイザーや弁護士、会計士などの専門家を選定します。特に保育園M&Aに精通し、行政手続きや社会福祉法人の制度に詳しい専門家が望ましいです。
実例:首都圏のある社会福祉法人は、M&Aの検討初期から保育園案件経験豊富なFA(ファイナンシャル・アドバイザー)を起用しました。その結果、所轄庁との事前協議や認可取得のタイムラインを明確化でき、スムーズな譲渡につながりました。
9.2 デューデリジェンスと条件交渉
候補先が決まると、買い手はデューデリジェンス(詳細調査)を行います。これは、財務・法務・労務・施設設備・運営体制など多方面から対象保育園を調査する工程です。
保育園の場合、次のような点が特に重要視されます。
- 行政からの監査や指導内容の履歴
- 園児数と入退園の推移
- 保育士の資格保持状況と離職率
- 施設や遊具の安全基準適合状況
調査結果を踏まえて、譲渡価格や支払い条件、職員の雇用継続、園名や運営方針の維持などを交渉します。
この条件交渉では、保育の質を維持できるかどうかが最大の焦点となります。
実例:地方都市で20年続く認可保育園が譲渡交渉を行った際、買い手側は「園名と保育方針を5年間維持する」ことを条件に提示しました。これにより、保護者からの反発を防ぎ、円滑な承継が実現しました。
9.3 契約・引き継ぎ・運営開始まで
条件合意後は契約書を作成します。社会福祉法人間の譲渡や事業譲渡の場合、所轄庁の認可が必要で、契約締結から運営開始まで数か月を要することもあります。
契約から運営開始までの主な流れは以下の通りです。
- 最終契約書の締結(譲渡契約書、雇用契約引き継ぎ書など)
- 所轄庁への認可申請・承認取得
- 保護者・職員への正式説明会
- 運営マニュアルや引き継ぎ資料の作成
- 運営開始(譲渡実行日)
この期間に最も注意すべきは、保護者と職員の安心感を損なわない対応です。引き継ぎ説明会では、運営体制・保育方針・人員体制が変わらないことを明確にし、不安解消に努めます。
実例:ある企業主導型保育園の譲渡では、引き継ぎ前に新旧運営者が合同で保護者説明会を開催しました。両者が一緒に登壇し、運営方針や職員配置が変わらないことを直接説明した結果、離園者はゼロで運営開始を迎えられました。
まとめ
保育園M&Aを成功させるには、事前準備・専門家選びから始まり、デューデリジェンス・条件交渉、契約・引き継ぎ・運営開始までの一連の流れを計画的に進めることが不可欠です。特に、保護者・職員への丁寧な説明と、行政との早期連携がトラブル防止とスムーズな承継のポイントになります。自園の目的や地域の事情に応じたステップ設計が、安心・安全なM&Aの実現につながります。
まとめ
保育園M&Aは、経営課題の解決や事業継続、さらには地域における保育サービスの質向上にもつながる有効な手段です。ただし、社会福祉法人特有の制約や行政手続き、保護者・職員への配慮など、一般企業のM&Aとは異なる注意点が数多く存在します。本記事で解説したポイントを踏まえ、計画的かつ丁寧な進行が成功への近道です。
- 市場動向を正しく把握する
- 経営形態別の特徴を理解する
- M&A手法の違いを押さえる
- 行政手続きの流れを把握する
- 専門家と早期に連携する
安心・安全な承継を実現するためには、早期の情報収集と信頼できるパートナー選びが欠かせません。詳しく知りたい方は、ぜひアーク・パートナーズまでお問い合わせください。
