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不況時でも会社は売れる?後悔しないM&A判断基準と高く売る方法

「不況でも会社は売れるのか?」「今売るべきか、景気回復まで待つべきか判断が難しい…」
そんなお悩みを抱えている経営者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、不況下でのM&A市場の実態を踏まえ、冷静な判断を下すための基準と、高値売却につなげる実践的な戦略を徹底解説します。

■本記事を読むと得られること

  1. 不景気でも売れる会社の特徴とその理由がわかる
  2. 「今売るべきか?待つべきか?」の判断基準が身につく
  3. 不況下でも高値で売るための戦略と準備方法が理解できる

■本記事の信頼性
筆者はM&Aアドバイザー歴10年以上、200件以上の実績を持つ中小企業庁登録のM&A支援機関として、誠実かつ専門的な支援を提供しています。

この記事を読むことで、不透明な時代でも後悔のないM&Aの意思決定ができるようになり、事業の未来に対する見通しと自信を得ることができるはずです。

3分で読める内容ですので、ぜひ最後までご一読ください。

1.不況になるとM&A市場はどう変わる?

景気とM&A件数の関係、過去のデータから学ぶ

不況時には、M&A市場の件数や動向が大きく変化します。特に買い手企業の投資姿勢や、売り手の事情によって、市場全体が縮小傾向に向かうのが一般的です。しかし、その影響は業種や規模によって異なり、すべてのM&Aが停滞するわけではありません。

たとえば、2008年のリーマンショック後や2011年の東日本大震災の直後には、日本国内におけるM&A件数は大幅に減少しました。株式会社レコフの「MARR(マール)」が提供するデータによれば、リーマンショック直後の2009年にはM&A件数が前年に比べて15%以上減少し、2011年にはさらに落ち込みが見られました。

このような過去の実績からもわかるとおり、景気悪化がM&A市場に与える影響は明確であり、買い手側の資金調達難やリスク回避傾向が背景にあります。以下の表は、2006年~2020年までの日本国内におけるM&A件数と日経平均株価の推移を比較したものです。

国内M&A件数 日経平均終値(年末)
2006年 2,775件 17,225円
2009年 2,093件 10,546円
2011年 1,769件 8,455円
2013年 2,094件 16,291円
2019年 3,850件 23,656円

このように、株価などの経済指標とM&A件数には一定の相関関係があり、景気の良し悪しはM&Aの成立数にタイムラグを持って影響します。特に、日経平均株価が急落した2008年~2009年においては、買収リスクを恐れて様子見する企業が増加し、M&A活動が鈍化しました。

また、日本企業の保守的な財務体質も影響を与えています。不況期には手元流動性を優先し、積極的な投資を避ける傾向が強まります。特に銀行からの融資が厳しくなる局面では、M&Aに必要な資金調達が難しくなるため、買い手候補が著しく減少します。

一方で、不況時にもM&Aを積極的に進めるプレイヤーも存在します。たとえば、事業再編を急ぐ大手企業や、景気の回復期を見越して先手を打つプライベート・エクイティ(PE)ファンドなどです。これらの買い手は、相対的に競争が少ない市場で割安な買収機会を狙っています。

このように、景気が悪化すると多くの企業が守りに入る一方で、攻めの姿勢を取る企業との二極化が生まれます。その結果、M&A市場では「売り案件の増加」と「買い手の選別の厳格化」という現象が同時に進行し、成立件数全体は減少傾向になります。

不況下においては、以下のような特徴がM&A市場に現れます。

  • 売り手の数は増える(資金繰りや事業撤退の必要性)
  • 買い手の数は減る(投資リスク回避・資金難)
  • 買い手による案件選別が厳しくなる
  • 価格交渉では買い手優位となりやすい
  • 「優良案件」に対しては逆に高値が付く場合もある

特に重要なのは、「市場全体は冷え込んでも、売れる会社は売れる」という点です。たとえば、収益が安定している会社や、他社と明確に差別化された強みを持っている会社には、不況期であっても高値での引き合いがあります。

実際、2011年の東日本大震災の年に、三井住友フィナンシャルグループが消費者金融大手プロミスを2,000億円で買収した事例がその代表です。当時は日本経済が不安定な状況でしたが、プロミスの事業再建が見込まれ、将来性のある案件として評価された結果、買収が成立しました。

つまり、不況だからといって必ずしも「今は売れない」と決めつけるのではなく、自社が「売れる会社」かどうかを正しく見極めることが重要なのです。市場が冷え込んでいる時期でも、準備次第で高値売却を実現することは十分可能です。

また、景気が回復してからM&A市場が本格的に動き出すまでにはタイムラグがあることにも注意が必要です。株価が上昇したからといってすぐに買い手が活発に動き出すわけではなく、「本当に景気が回復した」と感じるまでは慎重な姿勢が続きます。このズレを理解していないと、「景気が戻ったから売ろう」としたときにはすでに買い手の関心が他に向かっていた、ということも起こり得ます。

したがって、不況時のM&A市場においては、「いつ売るか」の判断だけでなく、「どのように売るか」も非常に重要になります。自社の状況と市場の動向を見極めながら、冷静に戦略を立てることが後悔しない売却につながります。

以上のように、不況時にはM&A市場全体が停滞する傾向にありますが、その中でも売れる会社とそうでない会社の二極化が進みます。しっかりとした準備と適切な判断ができれば、不況下でも高値での売却は十分に実現可能です。

2.売却を考える前に知っておくべき市場環境

買い手の減少と売り手の増加が意味すること

不況になると、M&A市場では「買い手が減って、売り手が増える」という現象が起こります。これにより、売却を検討している企業にとっては厳しい状況となり、望んだ価格や条件での成約が難しくなるケースが増えます。つまり、売却を検討するタイミングでは、自社の内部状況だけでなく、市場環境の変化も正しく理解しておくことが重要なのです。

まず、買い手が減少する背景には「景気後退による資金余力の低下」や「リスク回避志向の強まり」があります。経済産業省の「企業の資金繰りに関する調査」や日本政策金融公庫の中小企業動向調査などによれば、不況期には多くの企業が設備投資を抑制し、手元資金を厚くする傾向があると報告されています。M&Aは本質的にリスクを伴う投資活動であるため、不確実性が高い時期にはどうしても慎重になるのです。

特に、以下のような業種・属性の企業では、買収意欲が大きく減退します。

  • 景気敏感型(飲食・アパレル・観光関連など)
  • 財務体質が弱く、借入余力に乏しい中小企業
  • 事業再編を控え、内部整理に注力している企業

一方、売り手が増える要因は「資金繰りの悪化」や「将来への不安感」にあります。たとえば、帝国データバンクが2020年に発表した「コロナ禍における中小企業の事業継続意向調査」では、「廃業や売却を視野に入れている」と答えた企業の割合が前年よりも約20%増加したという結果が出ています。このように、業績の悪化や経営者の高齢化、不確実な将来への不安から、売却に踏み切る企業は確実に増えていきます。

売り手が多くなることで、当然ながら市場には売却案件が溢れ、買い手はその中から「選ぶ立場」になります。これは、以下のような構図を生みます。

不況時のM&A市場の構図 影響
買い手が減る 買収競争が起こりにくくなる
売り手が増える 案件の供給過多で価格競争が激化
買い手の選別が厳しくなる 売却が成立しづらくなる

このような状況では、「とにかく売れればいい」と焦ってしまいがちですが、それは非常に危険です。なぜなら、以下のような落とし穴にハマるリスクがあるからです。

  • 買い叩きによる大幅な価格減少
  • 条件の悪い相手との成約(従業員の雇用・理念の不一致)
  • M&A業者からの過度なプレッシャーによる誤った判断

また、買い手側の審査が厳しくなることも見逃せません。通常、買い手企業はM&Aにおいて「財務状況」「顧客基盤」「競合優位性」などを総合的に判断しますが、不況時にはそのチェックがより厳格になります。これは、買収後の経営リスクをできる限り排除したいという心理が働くからです。

そのため、売り手企業は「選ばれる立場」であるという認識を持ち、準備の質を高める必要があります。たとえば、以下のような準備が有効です。

  1. 業績悪化の要因分析と対策の明示
  2. 財務資料や契約書類の整理
  3. 買収後のシナジー案(事業連携・コスト削減等)の提案

これに加えて、「売却理由」を買い手に納得感を持って説明できることも重要です。特に、不況期には「資金繰りが厳しいから売りたい」という理由だけでは、買い手に警戒されてしまいます。むしろ、「今のうちに成長支援してくれるパートナーと組みたい」など、前向きな戦略として売却を位置づけることが信頼感につながります。

実際、筆者が関与したある製造業のケースでは、コロナ禍で売上が2割減少したにもかかわらず、早期に財務改善の施策を行い、原価率を5%改善。買収後のコストシナジーを丁寧に提示することで、複数社からの関心を集め、結果として希望価格での成約に至りました。

このように、不況時の市場環境は確かに厳しい側面があるものの、適切な理解と準備によってチャンスに変えることが可能です。逆に、市場環境を無視して売却を急いでしまうと、安売り・失敗に終わる可能性が高まります。

したがって、売却を考える際は「自社の状況」だけで判断せず、「今の市場環境」をしっかりと踏まえることが大前提となります。不況下では、買い手が慎重になる一方で、売り手が急増するという需給の逆転現象が起きていることを常に意識し、冷静に売却戦略を構築していくことが求められます。

3.不況でも高値で売れる会社の共通点

売れる会社と売れない会社の違いとは?

不況時でも高値で売れる会社には、いくつかの明確な共通点があります。一方で、買い手から選ばれない会社には、反対に「売れない理由」が存在します。この違いを理解し、自社が「売れる側」に入るための準備を進めることが、不況下におけるM&A成功の第一歩となります。

まず、買い手から見て「魅力的な会社」とは、たとえ経済全体が低迷していても、

  • 安定した収益を継続している
  • 業界内でポジションが明確である
  • 他社とのシナジー(相乗効果)が見込める
  • リスクが可視化されており対策済みである

というような特徴を持っています。逆に、売れにくい会社は以下のような状態に陥っていることが多いです。

  • 業績が赤字または赤字転落の見通し
  • 顧客の偏りや商圏の縮小
  • 経営者依存が強く属人化している
  • 内部管理体制が未整備

買い手にとってM&Aは投資です。投資である以上、将来にわたる利益や安定性、成長性が期待できなければ意味がありません。よって、業績が安定していて、買収後の活用イメージが持てる会社ほど、高く評価されます。

ここで参考になるのが、経済産業省の「中小企業白書」に記載されたデータです。2023年版白書によると、買収企業がターゲット企業を選定する際に重視する要素は以下のとおりでした。

評価項目 重視した割合(%)
業績の安定性 67.2%
取引先・顧客の良質さ 54.6%
経営者の信頼性・交代のしやすさ 49.1%
従業員の定着率・スキル 45.3%
設備・ノウハウの保有 41.7%

このデータからもわかる通り、「業績」や「顧客」、「人材」など、日々の経営で着実に積み上げてきた部分こそが、買い手に評価されることがわかります。また、数字に表れない「信頼性」や「管理体制の整備」といった定性的な部分も重要視されています。

ここで、実際に高値売却に成功した事例を一つご紹介します。

【事例】地方製造業が2倍評価で売却に成功

ある地方の精密部品メーカーは、売上約5億円、営業利益率7%という安定経営を10年以上続けていました。新規受注よりも既存顧客との長期取引が多く、利益構造が非常に安定していました。加えて、社長の後継者不在という課題を抱えており、早期に売却を検討。

この企業では以下のようなポイントを事前に整備しました。

  • 財務書類を3期分レビューし、不要な資産を整理
  • 従業員への説明と同意を早期に取得
  • 顧客ごとの収益性をデータ化し、プレゼン資料に落とし込み

結果として、関東圏の上場企業の子会社から「地域の製造力強化」という文脈で注目され、想定よりも2倍近い価格で売却が成立しました。買い手側は「安定的な利益が即戦力になること」「統合コストが低く、スムーズに経営引継ぎが可能」であることを高く評価したといいます。

このように、

  1. 売上や利益の安定性
  2. 買い手にとってのシナジーの明示
  3. 交代後の運営リスクの少なさ

が明確な企業は、たとえ不況でも「高く・早く」売れることが可能なのです。

一方で、売れにくい会社の特徴は「属人化」と「将来性の不透明さ」に集約されます。たとえば、社長がすべての営業・取引先管理・仕入交渉を一手に担っているような場合、買い手は「社長が辞めたら事業が崩れるのでは?」と強い不安を感じます。また、地域密着すぎて新規事業や他地域展開の余地がない事業も、買い手にとっての成長イメージが描けないため、評価が下がりやすい傾向があります。

このような点を踏まえると、自社が「売れる会社」かどうかを判断するには、以下のような視点でチェックを行うことが有効です。

【セルフチェックリスト】自社は売れる会社?

  • 直近3期で売上と利益が安定または成長している
  • 特定の人に業務が依存していない(マニュアル整備済)
  • 買い手にとっての活用余地・拡張余地がある
  • 契約関係や会計帳簿が整理されている
  • 第三者から見てもわかりやすい事業構造になっている

これらをひとつでも多く満たすことで、自社の「売れる力」は確実に高まります。不況という逆風の中でも、買い手は「買う理由」を求めて動いています。自社の魅力を客観的に言語化・構造化できるかが、売却成功のカギを握るのです。

4.売却タイミングは今?待つ?判断の3ステップ

赤字・減益・成長中の各パターン別シナリオ

会社の売却を検討する際に、「今売るべきか、それとも景気回復まで待つべきか」という判断は、経営者にとって非常に悩ましい問題です。特に不況下では、この判断を誤ると、会社の価値が大幅に下がるリスクがあるため、慎重な検討が求められます。

そこで本章では、自社の業績状況を3つの典型パターンに分類し、それぞれに最適な売却タイミングの考え方を解説します。以下のような「3ステップの判断フレーム」を用いることで、冷静かつ合理的に判断できるようになります。

【ステップ1】業績状況を3つのパターンに分類する

パターン 業績の特徴 想定リスク
パターン1:赤字転落の恐れ すでに赤字、または数カ月後に赤字化する見込み キャッシュ流出・企業価値の急落
パターン2:減益傾向 売上・利益ともに前年割れ、減少傾向が続く 買い手に不安を与えるが、改善余地あり
パターン3:成長または横ばい 売上は横ばい〜微増、利益率の改善に着手済 タイミング次第で好条件が狙える

【ステップ2】各パターンにおける判断基準

それぞれの業績パターンに応じて、売却すべきか・待つべきかの判断軸は異なります。以下で解説します。

■パターン1:赤字転落が見込まれる場合

この場合は「なるべく早く売却を検討する」のが基本方針となります。なぜなら、赤字が続くほどキャッシュが流出し、会社の価値は日に日に減っていくからです。

企業価値は、基本的に以下の2要素で構成されます。

  1. 現在持っている資産(現金、在庫、不動産など)
  2. 将来生み出すと期待される利益

赤字が続けば、①の資産は減り、②の利益見込みもなくなります。つまり、企業価値の両輪が同時に損なわれてしまうのです。

経済産業省「中小企業白書2021」によれば、事業承継・M&Aの売却価格が下がった要因の上位に「業績悪化」「キャッシュ不足」が挙げられています。この段階では、たとえ安くても売れるうちに売るという選択肢を真剣に考えるべきです。

■パターン2:減益が続く場合

減益傾向の企業では、「シナジーを想定できる買い手がいるか」で売却判断が分かれます。具体的には、買い手にとっての「統合メリット(コスト削減・業務効率化など)」が大きい場合は、早期に売却を進める価値があります。

たとえば、次のようなケースが該当します。

  • 原材料の仕入価格が高い → 大手と統合すればスケールメリットで単価低下
  • 販売エリアが限定的 → 買い手の販路に乗せることで全国展開が可能
  • 営業人員が少ない → 買い手が人材投入できれば売上増が期待できる

このような「手堅い改善イメージ」がある場合は、減益状態でも買い手から評価される可能性が高まります。

逆に、業績の悪化が自社の努力だけで改善できると考えるなら、いったん様子を見て改善策を実行し、半年~1年後に再評価するという選択肢もあります。

■パターン3:売上横ばい or 成長中の場合

この場合は、「あえて今売る」という選択も有効です。不況下では、成長できている企業に対して、買い手は非常に高い興味を示します。

とくに、プライベート・エクイティファンド(PEファンド)などの買い手は「今すぐ買いたい優良案件」を常に探しており、景気に関係なく動いています。中でも、以下のような特徴を持つ会社は高く評価されます。

  • 不況下でも売上・利益ともに伸びている
  • 限界利益率(売上から変動費を引いた利益)が高い
  • 買い手の既存ビジネスとシナジーが見込める

このような場合、タイミングを逃さず売却を進めることで、想定より高い価格がつく可能性もあります。

【ステップ3】現状を把握し、判断を具体化する

最後に、売却判断の精度を高めるためには、以下のチェックリストで現状を「見える化」することが重要です。

【簡易チェックシート】

  • 今後1年間の資金繰りに不安がある
  • 売上が前年から20%以上下落している
  • 赤字が3期以上続いている
  • 主要取引先の依存度が高い(1社で売上の50%以上)
  • 経営者以外の幹部層が育っていない

2つ以上当てはまる場合は、「今すぐ売却」を含めた検討が必要です。逆に、いずれも当てはまらず、利益も一定水準を維持できている場合は、「半年~1年待って価値を上げる戦略」も選択肢に入ります。

【まとめ】

会社の売却タイミングは、業績の現状と将来見通し、買い手の存在によって決まります。赤字リスクが高いなら早期売却、減益ならシナジー判断、成長中なら積極売却の可能性もあります。

どのタイミングを選ぶにしても、重要なのは「冷静な現状把握」と「買い手視点を持った戦略」です。感情ではなく、事実とデータに基づいた判断が、不況下でも後悔しないM&Aを実現する鍵となります。

5.不況時でも高く売るための4つの戦略

買い手の心を掴む売却活動と交渉術

不況時でも高く会社を売るためには、「売却タイミング」だけでなく「売却活動の進め方」が極めて重要です。市場が冷え込み、買い手が慎重になる局面においても、戦略的に動けば納得のいく条件での売却は十分可能です。ここでは、買い手の心をつかむために有効な4つの実践的戦略をご紹介します。

1. 強みと弱みを正確に把握し、最適な買い手に絞る

まず大前提として、自社の「強み」と「弱み」を客観的に分析し、それに価値を見出してくれる買い手に絞ってアプローチすることが重要です。

たとえば以下のような分析軸が参考になります。

  • コア商品・サービスの利益率と競合優位性
  • 取引先や仕入先との関係の強さ
  • 設備・ノウハウ・人材の特殊性
  • 事業エリア・業種的なシナジー可能性

このような強みが明確になれば、それを必要とする買い手=相性のよい相手に売却提案できます。買い手候補の選定(ショートリスト化)はM&A成功の成否を分けるほど重要なプロセスです。

2. 将来性とシナジーを丁寧に伝える情報開示

買い手にとっての関心は「この会社を買ったあとに、どのような成果が得られるか」に尽きます。そのためには、単なる財務情報ではなく、「買収後の未来像」を資料や説明で伝えることが欠かせません。

たとえば、以下のような内容を含む資料(インフォメーションメモランダム)を準備します。

  • 利益率が改善しているトレンドと背景
  • 今後3年の簡易シナリオと試算
  • 人材・ノウハウ・商流の活用方法
  • 統合により削減できるコスト項目

こうした情報があるだけで、買い手は安心して検討でき、「不況下でも買う理由」が見えてきます。実際、経済産業省が公表するM&A関連レポートでは「将来収益性に対する説明の充実」が成約率に大きく影響していると指摘されています。

3. 複数の買い手候補と同時進行し、競争環境を作る

高値を引き出す最も有効な手段が、「買い手同士を競わせること」です。買い手が1社しかいなければ、その提示条件を受け入れるしかありませんが、複数社が同時に興味を持てば、条件は必ず良くなります。

ただし、不況時は買い手の数が限られるため、以下のような工夫が必要です。

  1. 早い段階から広範囲に買い手候補を探索する
  2. PEファンドや業界再編プレイヤーも視野に入れる
  3. 買収意欲の温度感を正確に把握し、優先順位をつける

これにより、たとえ買い手数が少なくても「比較検討している」ことを伝えるだけで、価格交渉や条件交渉が有利になります。

4. 弱気を見せず、売り急がない姿勢を演出する

M&Aは交渉です。交渉においては「早く売りたい」と思っている側が圧倒的に不利になります。不況下では多くの売り手が資金繰りに悩んでいるため、買い手は「弱気な売り手」に足元を見て条件を下げてくるのが常です。

したがって、以下のような姿勢が重要です。

  • 売却理由はポジティブに伝える(成長戦略や事業継承の一環など)
  • 「良い条件があれば売る」というスタンスを貫く
  • 不利な情報も開示しつつ、改善策を提示する

このような姿勢であれば、買い手も「本気で買わなければ他社に奪われるかも」と思い、真剣に向き合ってくれるようになります。

事例:売上微減でも高値売却に成功した建設会社

ある地方の建設会社では、不況下で売上が前年比10%減という状況でしたが、地域密着のブランド力や、買い手との高い事業シナジーを資料でしっかり説明。さらに複数の買い手候補に同時打診を行い、価格競争が起きた結果、想定の1.5倍以上の価格で売却が成立しました。

買い手からは「資料と説明が的確で、統合後のイメージがはっきり湧いた」「他社も検討していると聞いて真剣になった」との声があり、まさに4つの戦略が機能した成功例といえるでしょう。

まとめ

不況時でも高値で売るためには、単に「良い会社である」だけでは不十分です。「誰に、何を、どう伝えるか」に戦略を持つことが重要です。以下の4点を意識することで、不利な市況でも納得のいく売却が実現しやすくなります。

  1. 自社の強みを正確に把握し、適切な買い手にアプローチする
  2. 将来像や統合後のシナジーを丁寧に情報開示する
  3. 複数の買い手と交渉を進め、競争環境を作る
  4. 弱気を見せず、売却姿勢に戦略性を持たせる

このように、「準備×戦略×交渉力」の3点を磨くことで、たとえ経済環境が厳しくても、価値あるM&Aを実現することができます。

6.景気回復を待つなら何を準備すべきか

利益率改善と変動費削減による企業価値向上

景気回復を待つという判断を選ぶ場合でも、ただ何もしないで待っていては、企業価値が上がることはありません。不況の間にどれだけ準備できるかが、将来的な売却価格を大きく左右します。特に重要なのは「利益率の改善」と「変動費の削減」によって企業の収益構造を強化することです。

M&Aでは、企業の評価は単純な売上高ではなく、「どれだけ効率よく利益を出せているか」が重要視されます。利益率が高く、コスト構造が改善されている企業は、景気が回復した時点で大きな評価を受ける傾向にあります。

利益率の改善が企業価値に与える影響

企業価値の計算においてよく使われるのが「EV/EBITDA(企業価値 ÷ 営業利益+減価償却費)」という指標です。たとえば、利益が1,000万円でEV/EBITDA倍率が6倍であれば、企業価値は6,000万円となります。このとき、同じ売上高でも利益率が1%上がるだけで、企業価値が数百万円単位で増えるケースもあるのです。

項目 改善前 改善後
売上高 1億円 1億円
営業利益率 5%(500万円) 7%(700万円)
EV/EBITDA倍率 6倍 6倍
企業価値 3,000万円 4,200万円

たった2ポイントの利益率改善で、企業価値は1,200万円もアップしています。このように、不況時に利益体質へ変革しておくことで、売却時に高値を引き出せる可能性が格段に高まるのです。

変動費の削減が将来の利益に与える効果

固定費と違い、変動費は売上に比例して増減するコストです。たとえば、材料費・仕入原価・外注費・販売手数料などがこれに当たります。不況期は売上が減少しやすいため、まずは変動費の見直しに着手すべきです。

変動費を削減できれば、売上が回復したときに「限界利益率(=売上から変動費を差し引いた利益の比率)」が高くなり、利益が跳ね上がります。

改善施策の具体例

  • 仕入価格の見直し・業者変更による材料費削減
  • 営業・販促活動の費用対効果の分析と縮小
  • クラウドツール導入による外注費削減
  • 物流会社の再選定による配送費の最適化

これらの取り組みは、将来の利益体質改善だけでなく、買い手からの信頼獲得にもつながります。なぜなら、買い手は「この会社を買ったあと、本当に利益が出せるのか」を非常に重視するからです。

事例:年商3億円の食品加工会社が利益率改善で評価2倍

ある食品加工会社では、コロナ禍で業績が悪化し、一時は赤字に転落。しかし社内コストの徹底見直しにより、材料ロスの削減や工程の簡素化を実現し、利益率を2%から5%にまで改善しました。売上自体は大きく回復していなかったものの、利益率の改善が評価され、1年後に上場企業から買収オファーが届き、以前の査定額の約2倍で成約しました。

準備期間中にやっておくべきこと

景気回復までの準備期間には、利益体質の改善だけでなく、企業価値向上に寄与する以下の取り組みも推奨されます。

  • 財務諸表や契約書類の整備
  • 経営者依存度の低下(業務分担の仕組み化)
  • 従業員の定着・スキル向上への投資
  • 取引先の分散・依存度の低下

こうした改善活動はすぐに成果が出るものではありませんが、景気が上向いたときに「売れる会社」としての評価を受ける下地になります。

まとめ

不況時に売却を急がず景気回復を待つのであれば、何よりも「利益率改善」と「変動費削減」に取り組むことが最重要です。これらの努力が、将来の企業価値を高めることに直結します。

不況を「価値を磨く時間」ととらえ、事業の体質改善に集中することが、いざ売却の好機が訪れた際に、後悔しない判断につながるのです。

7.シナジーで勝負!買い手候補の見極め方

強みを活かした買い手選定とIMのポイント

不況時でも企業を高く売却するための鍵は、「シナジー効果(相乗効果)」をいかに買い手に具体的に伝えるかにかかっています。単に業績が安定しているだけでは不十分であり、「この会社を買収すれば、自社にとってどれほどの価値を生むか」を買い手がイメージできる状態にすることが極めて重要です。

そのためには、自社の強みを最大限に活かし、それを最も高く評価してくれる買い手候補を見極め、狙い撃ちしていく必要があります。以下では、その具体的な手順と情報開示の工夫について詳しく解説します。

買い手選定で意識すべき「3つの視点」

まず、買い手候補をリストアップする際には、自社とどのようなシナジーが見込めるかを基準に、次の3つの視点で整理しましょう。

  • 業務シナジー:仕入・販売・サービスなど業務フローの統合でコスト削減が見込める
  • 資源シナジー:人材・技術・ブランド・設備など相互補完できる経営資源がある
  • 戦略シナジー:新市場への進出・事業領域拡大など中長期の戦略面で一致する

この3つのどれか、または複数に該当する相手ほど、積極的な買収検討をしてくれる可能性が高まります。

【具体例】買い手候補の見極めと絞り込み

たとえば、ある地方の食品卸業者A社がM&Aを検討しているとしましょう。このA社に対して、以下のような企業が有力な買い手候補となり得ます。

買い手候補 見込まれるシナジー
大手スーパーチェーン 商品仕入ルートの強化(業務シナジー)
物流会社 配送網の効率化によるコスト削減(資源シナジー)
冷凍食品メーカー 販路拡大と営業力強化(戦略シナジー)

このように、買い手側にとっての「メリット」が明確な企業こそが、真に自社の価値を評価してくれる存在です。

IM(インフォメーションメモランダム)に入れるべきポイント

IM(企業概要書)は、買い手に自社を売り込むための「最重要セールス資料」です。不況期には買い手がより慎重になるため、IMに盛り込む情報の質が問われます。

以下のような内容は、最低限盛り込むべきです。

  • 自社の事業概要・収益モデルの明快な説明
  • コスト構造(固定費/変動費比率)の明示
  • 3年分の業績推移(売上・利益・主要指標)
  • 強みと差別化ポイントの具体化
  • 買い手とのシナジー事例(仮説レベルでよい)

加えて、不況下では「今の業績」だけでなく、「改善の兆し」や「今後の戦略」を丁寧に書き込むことが効果的です。たとえば「利益率は低いが、変動費削減を進めている」「IT化により工数を3割削減できた」などの情報は、買い手にとってポジティブな材料となります。

【事例】ITベンダー企業の売却で評価が跳ねた要因

ある中堅のクラウドシステム会社が、営業利益率5%未満ながらも買収オファーを多数受け、高値売却を実現しました。その背景には、IMに以下の情報を明確に盛り込んだ点が挙げられます。

  • 買い手が展開するBPOサービスと連携できるAPI群
  • 導入先の90%以上が継続利用している定着率の高さ
  • システムを内製化せずSaaSとして活用できること

買い手からは「IMを読んで即時に活用シーンが思い浮かんだ」と評価され、売主の希望価格以上での成約に至ったのです。

シナジー仮説はあくまで“買い手目線”で

多くの売り手が陥りがちなのが、「自社にとってのメリット」を前面に出してしまうことです。しかし、買い手が知りたいのは「自社が買うことで得られるメリット」です。したがって、IMの記述や面談では、以下のような表現を意識することが重要です。

  • 「御社の物流網と統合すれば、配送単価が20%下がります」
  • 「御社の営業リソースを活用すれば、全国展開が可能です」
  • 「御社顧客基盤に対して、本サービスをクロスセルできます」

このように、具体的かつ相手視点でのシナジー仮説を提示できるかどうかが、成功への分かれ道になります。

まとめ

不況時に会社を高く売るには、買い手との「シナジー」を軸に、戦略的に買い手を選定し、IMや交渉の場で的確に伝える力が必要です。

  1. 業務・資源・戦略の3つのシナジー視点で買い手候補を選ぶ
  2. IMには強み・将来性・シナジー仮説を丁寧に盛り込む
  3. 買い手目線での説明に徹し、「自社を買う理由」を提供する

「売る」というよりも「活かしてもらう」姿勢を持つことで、買い手にとっても魅力的な提案となり、不況という逆境でも価値あるM&Aの実現に繋がります。

8.仲介会社は慎重に選ぼう

不況で淘汰される業者の特徴と選び方のコツ

不況時に会社を売却する際、最も重要なパートナーとなるのがM&A仲介会社です。しかし、景気が悪化する局面では、実力のない仲介会社が淘汰される傾向にあり、信頼できる業者を選ぶ目がより一層求められます。

実際、国の統計や業界報告を見ると、景気悪化に伴いM&Aの成約数が減少し、仲介業者の廃業や撤退が増えているのが現実です。経済産業省「中小M&A環境整備に関する報告書(2023年)」によれば、2020年〜2022年の3年間でM&A関連業者の新規参入数は減少に転じ、特に小規模な仲介会社が市場から姿を消している傾向が見られます。

不況時に淘汰されやすい仲介会社の特徴

実力不足の仲介会社は、不況時に次のような弱点が露呈しやすくなります。

  • 買い手ネットワークが狭く、成約力が弱い
  • 売り手に対して安易な「価格吊り上げトーク」で期待値だけ上げる
  • 交渉フェーズでのサポートが雑で、成約に至らない
  • レポートや資料の作成力が低く、買い手に刺さらない
  • 完全成功報酬型をうたうが実績が乏しく、途中で倒れる

不況になると、買い手企業の数は減り、売り手の数は増えるため、もともと能力の低い仲介会社では案件が捌けなくなり、自転車操業状態に陥るのです。中には「手数料が安い」「完全成果報酬」といった誘い文句で契約を取りながら、実際はほとんど動いてくれない例も見受けられます。

信頼できる仲介会社を見極める4つのチェックポイント

では、不況下でも信頼して任せられる仲介会社とは、どのような条件を満たしているのでしょうか。以下の4点を中心にチェックすることをおすすめします。

  1. 買い手ネットワークの豊富さ
    過去の成約実績や提携先、買い手候補の属性(業種、エリア)などを確認します。
  2. 契約内容の透明性
    テール条項の有無、成功報酬の算出根拠、違約金の設定などが明確に記載されているかを確認します。
  3. 資料作成力と提案力
    インフォメーションメモランダム(IM)の質や、買い手への提案時の姿勢・具体性を確認します。
  4. 担当者の経験と人柄
    担当者自身のM&A経験年数や実績、対応スピード、説明力、誠実さを評価することが重要です。

これらは、面談や過去の資料の共有、実績開示の有無などを通じて判断可能です。安さや早さだけで判断せず、「誰に売るかを一緒に考えてくれるか」という視点が最も重要です。

【実例】売却失敗の原因が仲介会社にあったケース

ある飲食業オーナーは、広告で「手数料ゼロ」「完全成果報酬」をうたう仲介会社に依頼。しかし、実際には買い手へのアプローチがほとんどなく、1年経っても成約には至らず。状況を見かねて他社に切り替えたところ、3ヶ月で適切な買い手が見つかり、満足のいく価格での売却が実現しました。

このように、「とりあえず無料だから」「話しやすいから」という理由だけで選んだ結果、大切な売却のタイミングを逃すという失敗は少なくありません。

仲介会社に期待すべき本質的な役割

M&A仲介会社には「紹介業者」ではなく「交渉をリードする戦略パートナー」としての役割を期待すべきです。具体的には以下のような機能が求められます。

  • 適切な相手とのマッチング(価格だけでなく価値観含む)
  • 交渉戦略の設計と実行(価格調整・スキーム設計など)
  • 買い手・売り手双方への情報共有と調整
  • 契約書面やスケジュール管理などの実務支援

これらを担える仲介者は、たとえ不況でもしっかりと成約に導く力を持っています。

まとめ

不況時のM&Aでは、「仲介会社選び」が成功確率を大きく左右します。買い手が慎重になり、売り手が増える局面では、実力のない業者は淘汰されていきます。

  1. 甘い誘い文句に惑わされず、契約内容と実績を確認する
  2. 買い手ネットワークと提案力に優れたパートナーを選ぶ
  3. 担当者の経験・人間性を重視し、信頼できるか見極める
  4. 交渉・調整を主導できる「戦略パートナー」視点で選ぶ

会社売却は人生に一度あるかないかの大きな意思決定です。焦らず、冷静に、信頼できるプロを見極めて進めましょう。

9.【ケーススタディ】不況下で高値売却できた実例

プロミスや他企業の成功事例から学ぶ戦略

不況時でも、戦略次第では高値でのM&Aを実現できるケースが実際に存在します。ここでは代表的な事例であるプロミスの売却をはじめ、他の成功例も交えて、どのような戦略が評価され、買い手から高額提示を受けたのかを解説します。

三井住友FGによるプロミス買収(2011年)

2011年、日本のM&A市場がリーマンショックと東日本大震災で大きく冷え込んでいた時期、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は消費者金融大手「プロミス」の買収に踏み切りました。買収額はおよそ2,000億円にのぼり、当時の市場としては異例の高額案件でした。

この取引が実現した背景には、以下のようなシナジーと戦略がありました。

  • プロミスの貸倒リスクと過払い金問題が一段落していた
  • SMFGのカードローン事業との統合によるコスト削減が可能だった
  • 将来的な収益回復が見込まれるビジネスモデルだった

実際、SMFGは買収により「SMBCコンシューマーファイナンス」として事業統合し、カードローン市場での競争力を一気に高めました。このように、買い手が自社の戦略と結びつけて明確な価値を見出せる場合、不況でも高値でのM&Aは十分に起こり得るのです。

【中堅製造業】不採算工場でも買収された理由

ある地方の部品製造業B社は、売上の横ばい・利益率の低迷に悩んでいました。不況下で廃業も視野に入っていましたが、営業利益1,000万円程度の同社に対し、上場企業が1億円以上の買収価格を提示。これは以下の要因によるものでした。

  • 買い手が東北地方での生産拠点を探していた(戦略的立地)
  • B社の人材(職人層)の技術が安定していた
  • IMで買収後の改善余地とシナジーを明示していた

つまり、企業単体の収益性ではなく、買い手の経営課題を解決する“素材”として評価されたことがポイントです。これは「どんな買い手が得をするか」を徹底的に考えて売り込んだ結果です。

【IT企業】コロナ禍のSaaS企業が高額評価された理由

2020年、コロナショックによる経済不安の中、クラウド型の業務管理SaaSを提供するスタートアップが大手IT企業に数億円規模で売却されました。当初、外部からは「不況下でSaaSは難しいのでは」と見られていましたが、実際は以下の理由で高く評価されました。

  • リモートワークの普及により導入需要が増加
  • 月額課金の安定収益が評価された
  • 自社サービスに組み込むことで製品強化が可能だった

特に買い手が重視していたのは、「すでにユーザー基盤を持っており、即座にクロスセルできる」点でした。これはIMでユーザー属性・解約率・導入フローなどが丁寧に示されていたため、買収後の活用イメージが明確になったからです。

成功例に共通する3つのポイント

これらの事例から見えてくる、不況下でも高値売却を実現する企業に共通する要素を整理すると、以下の3点に集約されます。

  1. 買い手が評価する「明確な活用メリット」がある
  2. 買い手目線でのIM・提案資料が整っている
  3. 「今しかない」戦略的タイミングに買い手を誘導している

つまり、企業としての数字だけで勝負するのではなく、「相手にとっての価値」に焦点を当てて売却戦略を設計しているかどうかが明暗を分けるのです。

まとめ

不況下においても、M&Aで高く売却できた企業には明確な戦略と準備がありました。「相手にとっての価値」「使い道」「改善余地」を伝えることこそが、価格を最大化する鍵です。

  1. シナジーが明確なら、不況でも高額買収は起こりうる
  2. IMで買い手視点の価値を提示することが重要
  3. 事例から逆算して、自社の売却戦略を組み立てるべき

今回ご紹介したケーススタディを参考に、ぜひご自身の企業の「強み」と「活用される未来」を今一度見直してみてください。それこそが、不況時でも後悔しないM&Aを成功させる最大の武器になるのです。

まとめ

不況時のM&Aは難易度が高まる一方で、適切な戦略を取れば高値売却も実現可能です。本記事では、市場環境の変化や売却判断の基準、高く売るための実践方法までを解説しました。

  1. 不況でも売却機会はある
  2. 企業の強みを客観視する
  3. 買い手視点で情報を整える
  4. 信頼できる仲介を選定する

冷静な判断と事前準備が、後悔のないM&Aにつながります。詳しく知りたい方は、ぜひアーク・パートナーズまでお問い合わせください。

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