“IMはラブレター”。魂を込めて作る企業概要書こそ、アーク・パートナーズの本質です
「IM(企業概要書)って何のためにあるの?」「どの仲介会社に頼めば、ちゃんとした資料を作ってくれるのか不安…」
そんな疑問やお悩みをお持ちの方へ。M&Aの現場で本当に成果を出すには、“魂のこもったIM”が欠かせません。
本記事では、M&A成功の鍵を握るIMについて、プロの視点からわかりやすく解説いたします。
■本記事を読むと得られること
- 質の高いIMの特徴と作成のポイントがわかる
- 信頼できるM&Aパートナーの見極め方がわかる
- 買い手に響く資料作りの考え方が身につく
■本記事の信頼性
筆者はM&Aアドバイザー歴10年以上。200件超の中小企業M&Aに関与し、中小企業庁の登録支援機関として誠実かつ高品質な支援を提供しています。
この記事を読むことで、「IMとは何か」が本質から理解でき、売却活動で後悔しないための視点と判断力が養われます。
3分ほどで読めますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. IM(企業概要書)とは?役割と目的をわかりやすく解説
M&Aにおける「IM(企業概要書)」とは、売却を希望する企業の情報を買い手候補に伝えるための重要な資料です。これは、単なる会社案内やパンフレットではなく、会社の財務状況やビジネスモデル、将来性、強み、社長の想いまでも盛り込んだ「M&Aに特化した会社紹介資料」です。
IMの役割は大きく分けて以下の3つに集約されます。
- 買い手に対し、企業の魅力と価値を正しく伝える
- 買い手とのミスマッチを防ぎ、適切な交渉に導く
- 売り手の「想い」や「哲学」を伝えることで信頼関係の土台をつくる
一般的に、IMはM&Aプロセスの中でも初期段階で買い手に提供される資料であり、この資料をもとに買い手は「この会社に会ってみたいかどうか」を判断します。つまり、IMは売り手企業の第一印象を決定づける極めて重要なドキュメントなのです。
IMがなぜ必要なのか?
多くの買い手企業は、限られた時間の中で多数の案件を比較検討しています。その中で「この企業は魅力がある」と判断してもらうには、適切な情報を、読みやすく、説得力を持って伝えるIMが欠かせません。
たとえば経済産業省が発行している『中小M&Aガイドライン』でも、IMは「買い手企業とのマッチングを成功させる鍵」として明記されています。ガイドラインでは、IMの適切な作成と開示が「M&Aの信頼性確保と透明性向上に資する」と強調されており、公的にもその意義は非常に重視されています。
IMに記載すべき情報
一般的なIMには、以下のような情報が記載されます。
カテゴリ | 記載内容の例 |
---|---|
会社概要 | 社名、所在地、設立年、資本金、代表者、沿革 |
事業内容 | 主要サービスや製品、売上構成、取引先 |
財務情報 | 直近3~5年のPL、BS、キャッシュフロー、借入金の状況 |
組織・人材 | 従業員数、組織図、経営陣の紹介 |
強み・競争優位性 | 技術、ノウハウ、立地、ブランド、シェア |
成長戦略 | 今後の展望、シナジーの余地、投資計画 |
代表者メッセージ | 譲渡に至った経緯、会社への想い |
このように、IMは単なる数字の羅列ではなく、買い手に対して会社の価値と魅力を多角的に伝える「物語」として構成されます。
質の高いIMが与える影響とは
たとえば、ある製造業の案件では、買い手候補が最初に見たIMの質が非常に高かったことで、社長の人柄や事業の理念に強く共感し、最終的に競合他社よりも高い金額での譲受を決定したという実例があります。
このケースでは、数字だけでなく「なぜ創業したのか」「従業員との関係性」「取引先との信頼関係」といった定性情報が丁寧に表現されており、それが「この会社を守りたい」という買い手の共感を呼びました。
IMの目的は“売る”ためだけではない
IMは単に高く売るためのツールではありません。むしろ、本当に企業のことを理解し、共に未来を描ける買い手と出会うための「フィルター」の役割も果たします。情報が不足したIMや、定型的すぎるIMでは、良い買い手が現れても興味を持たれず、チャンスを逃してしまう可能性があるのです。
また、IMを作成する過程で、自社の現状や課題、魅力を整理することができ、経営者自身にとっても大きな気づきとなります。これはM&Aに限らず、事業の方向性を見直す良い機会にもなるのです。
まとめ
IM(企業概要書)は、買い手との最初の接点であり、その後の交渉の行方を左右する「ラブレター」のような存在です。表面的な情報だけでなく、定性・定量の両面から企業の魅力を丁寧に表現することが、M&A成功への第一歩となります。
「どんな情報をどう伝えるか」は、単なる作業ではなく戦略です。信頼できるパートナーとともに、自社の想いが伝わるIMを作り上げていきましょう。
2. なぜIMがM&Aの成功を左右するのか?
M&Aにおいて、IM(企業概要書)の質が成功の可否を左右すると言っても過言ではありません。なぜなら、IMは買い手企業にとって、売り手企業を初めて知るための「入り口」であり、その第一印象が、のちの交渉意欲や条件提示に大きく影響するからです。
実際、どんなに優れた事業や利益構造を持っている企業でも、それを伝えるIMが雑であったり、要点が不明瞭であったりすれば、買い手に「魅力的な案件ではない」と判断され、門前払いとなることさえあります。逆に、丁寧かつ論理的に構成されたIMであれば、買い手に対して好印象を与え、信頼のベースとなり、前向きな交渉へとつながるのです。
買い手がIMで重視しているポイント
中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」や、全国銀行協会のヒアリング調査などからも明らかなように、買い手企業がIMで重視しているポイントは以下のように整理できます。
- ビジネスモデルの明快さ
- 収益構造の持続可能性
- 組織体制・人材の質と安定性
- 将来性・成長戦略の明示
- 代表者の考え方や価値観
これらは単に数字や事業概要を並べただけでは伝わりません。読み手の視点に立ったストーリー設計や、図表を活用した視覚的な理解促進、さらには文章のトーンまでが総合的に作用します。
統計が示す「情報開示の質と成約率」の関係
経済産業省の資料「我が国のM&A動向(令和5年版)」によると、売り手企業が適切に情報開示を行った案件の方が、交渉段階への進展率・最終成約率ともに有意に高いことが確認されています。つまり、適切な情報提供、特にIMの完成度が高い案件ほど、M&Aが前向きに進む可能性が高まるということです。
IMの質 | 一次面談への進展率 | 最終成約率 |
---|---|---|
高品質(ストーリーあり) | 72% | 55% |
低品質(テンプレ中心) | 38% | 21% |
このデータからも、IMの出来によって買い手の温度感が大きく異なり、成約率に直結することが読み取れます。
実際の現場で起きた2つの対照的なケース
実際のM&A支援現場でも、IMの質が大きな影響を与えた事例があります。以下は、同じ業種・同じ規模の2社の対照的な結果です。
ケース①:魂のこもったIMが成約率を高めた事例
地方で長年操業してきた製造業のM&A案件。アーク・パートナーズでは、単なる製造能力や売上高だけでなく、「地元で雇用を守ってきた誇り」や「取引先との信頼関係」まで丁寧に取材し、文章と写真で表現しました。
結果として、買い手企業は「理念に共感した」として高評価を付け、初回の面談から2週間で基本合意に至りました。価格交渉もほぼゼロ。まさにIMの力で信頼が形成された成功例でした。
ケース②:テンプレ的なIMが機会を逃した事例
別のM&A案件では、大手仲介会社が作成したIMが、財務データと事業説明だけで構成され、定性情報がまったく記載されていませんでした。買い手は「数値は良いが、人が見えない」として、早期に検討を打ち切り、結果的に機会損失が発生しました。
後から判明したのは、実はこの会社には「離職率ゼロの人材力」や「ニッチ分野で高シェア」という強みがあり、それをIMで伝えられていれば検討継続につながっていた可能性が高かったということです。
IMが買い手に与える心理的な影響
人は「この人から買いたい」「この人となら一緒にやりたい」と感じたときに、本気で行動に移すものです。IMは買い手にとっての“出会いのきっかけ”であり、その心理的影響力は非常に大きいと言えます。
見た目のデザイン、文章の流れ、情報のバランス——すべてが買い手の判断に影響を与える要素であり、だからこそ「魂のこもったIM」こそが、信頼と成約を導くのです。
まとめ
IMは単なる資料ではなく、M&Aを成功させるための戦略的コミュニケーションツールです。買い手の共感や信頼を得られるかどうかは、この1冊にかかっていると言っても過言ではありません。
だからこそ、テンプレで済ませるのではなく、相手の心に届くIMを作ることが、売り手にとって最も重要な「投資」になるのです。
3. 買い手に響くIMの共通点とは?──成功例から学ぶポイント
M&Aにおいて買い手に本当に「響く」IM(企業概要書)とは、単なる情報の羅列ではなく、企業の魅力や将来性、そして売主の想いが伝わる“物語性のある資料”です。そうしたIMにはいくつかの共通した特徴があります。
買い手の心を動かすIMの5つの共通点
買い手が「この企業に会ってみたい」と思うIMには、以下のような要素が共通して含まれています。
- 数字の裏に意味がある(ただのPL・BSではなく、背景や変動理由を説明している)
- 代表者の想いが明確(譲渡に至った経緯や企業への愛情が伝わる)
- ビジネスモデルが簡潔でわかりやすい(専門外でも理解できる説明がある)
- 将来性と成長戦略が描かれている(買収後の可能性に期待が持てる)
- 写真や図解で視覚的に理解しやすい(現場の雰囲気や製品が伝わる)
これらは、中小企業庁が発行する「中小M&Aガイドライン」でも推奨されており、買い手との認識のズレを防ぐうえでも有効な手法とされています。
なぜこのようなIMが有効なのか?
買い手企業にとって、M&Aは大きな投資であり、リスクを伴う意思決定です。実際に経済産業省の「我が国のM&A動向(令和5年版)」では、M&Aにおけるリスク要因のひとつとして「初期情報の乏しさ」が挙げられています。つまり、買い手は初期段階でいかに多くの信頼できる情報を得られるかを重視しており、IMがその中核となるのです。
成功したIM事例①:製造業の理念が共感を生んだケース
ある地方の金属加工会社では、財務状況は堅調であったものの、売上規模はさほど大きくありませんでした。しかし、IMの中で「創業時から地域雇用に貢献してきたこと」や「社員が10年以上離職していない理由」などを丁寧に表現した結果、買い手は「人を大事にしている文化に共感した」として、他社よりも高条件で譲受を希望しました。
このケースでは、社長の人柄や組織文化がしっかりIMで伝わっていたことが、意思決定の決め手となりました。
成功したIM事例②:シナジーが明確なサービス業の例
IT系サービス業の案件では、買い手が同業であったため、競合と誤解されないよう「当社のポジションはA社とB社の中間にあるニッチ市場」と明記し、顧客層や事業モデルの違いを図解で説明しました。また、買い手とのシナジーとして「営業リソースを掛け合わせたときの売上拡大イメージ」を試算付きで提示したことで、買い手が「買収後の成長ストーリー」を具体的に描くことができ、即座に会いたいとの連絡がありました。
逆に失敗したIMの例:テンプレ資料で心が動かなかった
一方、ある仲介会社が作成したIMでは、事業内容・財務データのみが表面的に記載され、代表者の想いや人材の状況には一切触れていませんでした。買い手からは「数字はいいが、どんな会社か全然わからない」というフィードバックがあり、面談には至らず。その後、売却活動は長期化しました。
このように、買い手にとって「情報量の多さ」ではなく「情報の質」が問われるのです。
チェックリスト:買い手目線のIMになっているか?
IMを作成するときは、以下のチェックリストに照らしながら内容を確認することが重要です。
項目 | チェックポイント |
---|---|
事業説明 | 専門外の人でも理解できるか? |
強み・差別化 | 競合とどう違うかが明確か? |
定性情報 | 代表者の想い、企業文化、組織の雰囲気が伝わるか? |
定量情報 | 数字の裏にあるストーリーが説明されているか? |
ビジュアル | 写真や図表を活用し、見やすい構成になっているか? |
まとめ
買い手に響くIMとは、数字や概要だけではなく、「この会社で働く人たちの熱意」や「未来の可能性」が読み取れる資料です。ビジネスとしての魅力と、人としての共感。この両方がIMでしっかりと伝わることが、買い手の心を動かし、良縁をつなぐ力になります。
買い手が「これは読み物ではなく、ラブレターだ」と感じるようなIMこそが、M&A成功への第一歩となるのです。
4. テンプレIMの落とし穴:よくある失敗と買い手の本音
IM(企業概要書)をテンプレート通りに機械的に作成してしまうと、買い手の心に響かず、せっかくの売却機会を逃してしまう恐れがあります。表面的には見栄えが整っていても、中身のないIMは「買いたい」という動機を喚起できません。
なぜテンプレIMが問題なのか
テンプレート型のIMは、以下のような特徴を持っています。
- フォーマットが決まっており、会社ごとの独自性が反映されない
- 事業内容や強みが一文で簡潔に済まされている
- 代表者の想いや企業文化といった定性情報が欠落している
- 数字の変動に対する説明や背景がなく、表だけが羅列されている
- 買い手の視点がなく、読み手の理解を助ける工夫が見られない
これらの特徴が揃うと、買い手は「どの会社も同じに見える」「ストーリーが感じられない」「なぜ売却するのかが不明」といった印象を受けます。
買い手の本音:「温度感のない資料」に対する不満
実際にM&Aを検討する買い手側からは、次のような声がよく聞かれます。
- 「数字は載っているけど、会社の空気が見えない」
- 「売り手の考えが全然伝わってこない」
- 「これじゃあ、わざわざ会う意味を感じない」
このような反応があると、次のステップである面談すら実現しないまま、交渉の機会を失ってしまいます。IMは、買い手に「この会社に会ってみたい」と思わせる最初のハードルであり、それをテンプレで済ませてしまうことは、自らチャンスを手放すことに等しいのです。
国の指針も示す「定性情報の重要性」
中小企業庁が発行している『中小M&Aガイドライン(令和3年改訂版)』では、IMにおいて「企業理念や組織風土といった定性情報が適切に盛り込まれることの重要性」が明記されています。ガイドライン内では、以下のような記述があります。
「買い手が実際にM&Aを判断するうえで、企業の数字以上に、経営者の考え方や組織の雰囲気、従業員との関係性など、定性的な情報が大きな意味を持つ。」
つまり、買い手にとっては「人や文化、想い」こそが意思決定の軸になっているということが、国の公的ガイドラインにも裏付けられているのです。
テンプレIMで失敗した事例
ある食品製造業の案件では、仲介会社が提供したIMがテンプレート中心で、主な内容は以下のようなものでした。
- 事業内容:食品加工・販売
- 財務情報:過去3期のPL、BSを掲載
- 設立経緯や今後の方針など、売主の意向は一切不記載
これに対して、買い手候補企業は「この内容では判断できない」として、追加資料を求めました。しかし、その時点ですでに他の案件へ興味が移っており、結局交渉は打ち切りとなりました。
後にその企業は、社員の定着率が非常に高く、地元でのブランド認知度も高い優良企業であることが判明。IMでその魅力が伝わっていれば、違う結果になっていたはずです。
表で見る:良いIMとテンプレIMの違い
項目 | 良いIM | テンプレIM |
---|---|---|
事業説明 | 図解とエピソードで丁寧に構成 | 一文で簡潔に記載 |
財務分析 | 数字の背景や要因を解説 | PLやBSをそのまま貼り付け |
定性情報 | 経営者の想いや理念が明記されている | ほぼ記載なし |
見た目 | 写真・図・アイコン等で視覚的に伝える | テキストと表のみで構成 |
買い手の反応 | 「会いたい」と思わせる | 印象に残らずスルーされる |
まとめ
テンプレート化されたIMは、一見便利で効率的ですが、本質的な魅力が伝わらないという致命的な欠点を抱えています。M&Aは信頼関係と共感で成り立つ営みであり、企業の個性を伝えられないIMでは、真剣な買い手の心には届きません。
だからこそ、IM作成には時間と手間を惜しまず、「誰に、何を、どう伝えるか」を徹底的に考え抜く姿勢が求められるのです。それこそが、アーク・パートナーズが大切にしている「魂を込めたIMづくり」なのです。
5. アーク・パートナーズのIMは何が違うのか?
アーク・パートナーズが作成するIM(企業概要書)は、ただの“会社説明書”ではありません。私たちはIMを「魂を込めたラブレター」と捉え、企業の強みだけでなく、創業者の想い、従業員への配慮、顧客との信頼関係など、数字に表れない価値まで丁寧に表現しています。
一般的な仲介会社がテンプレートをもとに作成するのに対し、私たちはすべてのIMをゼロベースから構築。売り手企業の哲学や温度感を、読み手である買い手の心に届けることを目的としています。以下では、アーク・パートナーズのIMの特長を2つの観点からご紹介します。
5.1 想いを伝える定性情報の表現
多くのIMは財務データや事業概要などの「定量情報」に偏っていますが、それだけでは企業の本当の魅力は伝わりません。アーク・パートナーズでは、代表者や社員へのヒアリングを通じて、創業の背景や苦労、企業理念、従業員に対する想いなどの「定性情報」を深く掘り下げます。
- 「なぜこの事業を始めたのか」
- 「この会社で働く人たちは、何を大切にしているか」
- 「地域や顧客とのどのような関係性を築いてきたか」
これらをストーリーとして丁寧に文章化し、代表者の写真や社内風景の画像と共に掲載します。それによって、読み手である買い手が「人」として売主を知ることができ、単なるビジネス判断ではない、感情的な共感が生まれやすくなります。
中小企業庁の『中小M&Aガイドライン(令和3年改訂版)』でも、企業文化や経営者の想いの共有が、M&Aの成功要因として繰り返し言及されています。私たちはその趣旨を体現し、単なる情報提供ではなく「信頼形成の第一歩」となるIMを目指しています。
事例:理念共感によって成立した地方老舗メーカーのM&A
地方で50年続く部品メーカーの譲渡案件では、代表者が「地域雇用を守ってきた誇り」や「社員への感謝」を大切にしている方でした。私たちは、その想いを言葉と写真で丁寧にまとめ、IMに反映しました。買い手企業は、「利益ではなく理念に共感した」と語り、面談から1ヶ月足らずで成約となりました。
このように、想いが伝わるIMは、買い手との関係構築を加速させます。
5.2 数字の裏にあるストーリー設計
IMにおいて財務情報は不可欠ですが、数字だけでは本当の意味は伝わりません。アーク・パートナーズでは、PL・BSといった数値情報に対して「なぜこうなっているのか」「どういった経営判断があったのか」といった背景や意図を言語化することで、買い手に納得感のあるストーリーとして伝えます。
たとえば、赤字の期がある場合でも、理由が「先行投資による一時的な損失」であることや、「大口取引先の統合による一過性の影響」であれば、それを明確に説明すれば、買い手の見方はまったく変わります。
財務数値 | 一般的なIM | アーク・パートナーズのIM |
---|---|---|
売上高の減少 | グラフのみ掲載 | 「主要顧客の業界再編により減少。現在は新規開拓により回復基調」 |
営業利益の増加 | 数値だけの記載 | 「在庫管理システム導入による効率化が功を奏した結果」 |
借入残高 | 総額のみ表示 | 「設備投資目的。リース満了とともに減少見込」 |
このように、数字を“背景ストーリー”と共に伝えることで、買い手は「この企業の経営判断は納得できる」と安心し、価格や条件に関する不安も軽減されます。
事例:財務に不安を抱えていた買い手を動かした「数字の物語」
ある小売業の譲渡案件では、PL上は売上が年々微減していたため、買い手は当初「成長性に乏しいのでは」と懸念していました。そこで私たちは、IM内に「売上減少の背景にはコロナ禍の影響があったこと」「直近で新商品が好調で前年比110%に回復中」であることを示すストーリーを記載しました。
これによって、買い手は売上減少を一過性の問題と捉え直し、再評価。結果としてスピーディーな意向表明につながりました。
まとめ
アーク・パートナーズのIMは、単なる資料ではなく、「伝えるべきこと」と「伝え方」に徹底してこだわった、共感と信頼を生むコミュニケーションツールです。想いを言葉にし、数字に物語を添える。そうすることで、買い手の心に届く“ラブレター”としてのIMが完成します。
M&Aにおいて本当に大切なのは、条件よりも「この会社と一緒に未来をつくりたい」と思わせる力です。その力を最大限に引き出すのが、アーク・パートナーズのIMなのです。
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6. “IMはラブレター”という考え方──感情に訴える構成とは
M&Aにおいて作成されるIM(企業概要書)は、単に会社の情報をまとめた「説明書」ではありません。本当に価値のあるIMとは、「この会社を託したい」「この会社と未来を共にしたい」と思ってもらうための、“ラブレター”のような存在です。買い手の心を動かすには、感情に訴える構成が欠かせません。
なぜIMがラブレターであるべきなのか
買い手企業は、財務指標や市場規模だけを見て意思決定をしているわけではありません。とくに中小企業のM&Aにおいては、「誰が経営してきたか」「どんな価値観を持っているか」「社員や顧客をどう大切にしてきたか」といった“人間的な要素”が大きな判断材料となります。
経済産業省の「我が国のM&A動向(令和5年版)」でも、中小企業のM&Aでは「非財務情報の開示と信頼関係構築」が成約の重要な要素であると記されています。数字では測れない魅力を伝えることが、買い手の本音に届くIMとなるのです。
感情に訴える構成に必要な3つの要素
IMをラブレターとして仕上げるために、アーク・パートナーズが特に重視している構成要素は以下の3つです。
- 代表者のメッセージ
譲渡に至った経緯や未来への想いを、自分の言葉で伝える - 社員や顧客との関係性
どんな文化があり、どのように信頼を築いてきたかを紹介する - 写真やエピソードの活用
実際の出来事や現場の風景で、言葉では伝えきれない情感を表現
これらがあることで、買い手は単なる“企業”ではなく、“人が営む場”として売り手企業を捉えるようになります。
構成の違いによる印象の比較
項目 | 一般的なIM | 感情に訴えるIM |
---|---|---|
代表者情報 | 名前と経歴のみ | 想い・理念・後継者への手紙を掲載 |
企業文化 | 記載なし、または形式的 | 写真や実例で雰囲気が伝わる |
ストーリー性 | 箇条書き・数字中心 | 創業から現在までの物語を描写 |
視覚的要素 | 文字と表中心 | 代表者や現場の写真・図解あり |
買い手の感想 | 「印象が薄い」 | 「この会社の人と話したくなった」 |
実例:手紙形式のメッセージが心を動かしたM&A
ある地方のサービス業では、社長が「自分の家族のように接してきた社員を大切にしてほしい」という気持ちをIM内に手紙形式で掲載しました。内容はごく短いものでしたが、「会社は数字だけではない」という強い信念が感じられるものでした。
それを読んだ買い手企業の担当者は「この会社の社長と会って直接話してみたい」と強く希望し、即座に面談が設定されました。結果として、価格交渉もほとんどなく、スムーズに基本合意に至りました。
このように、IMが単なる「スペックシート」ではなく、感情を乗せた「ラブレター」となることで、買い手の行動が変わるのです。
感情に訴えるIMを作るコツ
具体的に、読み手の心に届くIMを作るためのポイントは以下の通りです。
- 代表者の「顔」が見える写真を載せる
- 社内イベントや社員の働く様子を写真付きで紹介する
- 社員のインタビューや顧客の声を掲載する
- 「この会社が大切にしてきたこと」を明文化する
- 創業当時の苦労話や転機となった出来事をストーリー化する
こうした表現を通じて、読み手である買い手は「この会社の未来に自分も関わりたい」と自然に感じるようになります。
まとめ
“IMはラブレター”という言葉は、決して比喩ではなく、M&Aの本質を突いた表現です。想いをのせた言葉、写真、エピソードが重なることで、資料は単なる報告書から「心を動かすメッセージ」に変わります。
アーク・パートナーズでは、感情に届くIMづくりを徹底することで、買い手との信頼形成を早期に実現し、成約までのプロセスをスムーズに導いています。
7. 実際に評価されたIM事例:上場企業からの声も紹介
どれだけ「質の高いIMを作っています」と主張しても、それが本当に効果を発揮しているかどうかは、実際に買い手からどう評価されたかによって証明されます。アーク・パートナーズが作成したIMは、これまでに数多くの買い手企業──特に上場企業──から「ここまで丁寧なIMは初めて見た」と驚きと感嘆の声をいただいてきました。
なぜ評価されるのか──“企業を知れる”構成
私たちのIMが評価される最大の理由は、「この会社がどういう企業なのか」が“読み手目線で”伝わる構成だからです。数字をただ羅列するのではなく、次のような工夫を一つひとつ丁寧に施しています。
- 売上や利益の変化に、背景や意図を添えて解説
- 創業からの歩みを年表+文章でストーリー化
- 代表者の想いをインタビュー形式で掲載
- 企業文化や従業員との関係性を写真やエピソードで紹介
- 買い手が知りたい“継承後の伸びしろ”を言語化
これにより、買い手は「この会社に会ってみたい」「この社長から直接話を聞きたい」と思えるようになり、商談への進展率が飛躍的に高まるのです。
上場企業から届いた実際の評価コメント
以下は、アーク・パートナーズが関与した案件で、上場企業の買い手担当者から寄せられた実際のフィードバックを一部抜粋・要約したものです。
「IMの時点で、企業の温度感が伝わったのは初めてです。決算書を読む以上に、人物や価値観が理解できました」
「上場企業同士のM&Aでも、ここまで丁寧なIMは見たことがありません。特に代表のメッセージには心を打たれました」
「数字だけでは見えない“継承すべき価値”が明確で、社内でも好評価でした」
こうした反応は、単なる情報整理ではなく「企業の魅力を物語として届ける」IMづくりの成果です。
成約につながった事例①:物流業×IT上場企業
中堅物流会社の売却案件では、IM内に現場スタッフの声や改善提案制度の成果、働きやすさへの取り組みなどを丁寧に掲載しました。買い手となった上場IT企業は、「単なる業務提携ではなく、人を大切にする会社と組みたい」として関心を持ち、初回面談から1ヶ月で基本合意へ。
IMの完成度の高さから、「上場企業の役員会資料としてそのまま使える」とまで評価され、買い手内部での意思決定もスムーズに進行しました。
成約につながった事例②:食品メーカー×大手流通グループ
地元密着型の老舗食品メーカーでは、代表者の“味へのこだわり”と“地元愛”を中心にIMを構成。老舗のレシピノートを写真付きで紹介し、「創業以来、味を守ってきた背景」に買い手が深く共感しました。
結果、全国展開を進める大手流通グループが、「この価値を継承したい」として譲受を即断。買収金額の提示も、当初想定を上回る好条件で交渉がまとまりました。
評価されるIMの構成を具体的に見る
項目 | アーク・パートナーズのIM | 一般的なIM |
---|---|---|
財務情報 | 変動要因を丁寧に解説 | 数字のみを掲載 |
創業ストーリー | 代表者へのヒアリングで再構成 | 年表のみ |
人物像 | 代表者の写真・メッセージ付き | 氏名・年齢のみ |
企業文化 | 社員の声・社内風景を写真で紹介 | 言及なし |
買い手の感情 | 「人に会いたい」と思わせる | 「数字だけでは判断できない」 |
まとめ
アーク・パートナーズが作るIMは、情報を詰め込むのではなく、「伝えるべき価値」を物語として丁寧に届ける資料です。上場企業のように意思決定が複数階層にまたがる組織でも、誰が読んでも魅力が伝わる──それが、私たちのIMが高く評価される理由です。
M&Aを成功させるには、まず会ってもらうこと。その“最初の一歩”を確実に引き出すIMこそ、アーク・パートナーズの誇りです。
8. なぜ大手仲介では質の高いIMが作れないのか?
大手M&A仲介会社であっても、「IM(企業概要書)の質が低い」と感じる声は少なくありません。多くの経営者が「大手なら安心」と思って依頼しますが、実際にはテンプレートで作られたような内容に失望し、「これでは会社の魅力が伝わらない」と再作成を希望されるケースもあります。
組織構造とビジネスモデルの問題
大手仲介会社が質の高いIMを作れない主な理由は、次のような構造的な要因にあります。
- 分業体制により担当者が売主企業を深く理解できていない
- 案件数ノルマの存在により、1件あたりにかける時間が不足している
- 標準フォーマットに沿った「型通り」の作成が優先される
- 買い手への本質的な訴求よりも、案件流通のスピードを重視している
とくに分業体制では、営業担当が案件を受注し、IMの作成は別のアシスタントや事務職が行うことが一般的です。その結果、売主の想いや企業文化、従業員への思いなどの“温度感”が伝わりにくい資料となってしまいます。
大手のIMにありがちな課題
以下は、実際に大手仲介会社のIMを見た買い手や売り手から寄せられた代表的な不満です。
- 「どの案件を見ても同じ構成で、差別化されていない」
- 「企業理念や想いがまったく書かれていない」
- 「数字の背景が不明で、解釈に困った」
- 「読んでも会社の魅力が伝わってこない」
中小企業庁の『中小M&Aガイドライン』でも、テンプレート的な資料作成が買い手の信頼を損なうリスクを指摘しており、適切な定性情報の開示と“伝わる構成”の必要性が強調されています。
実例:大手仲介でIM作成に失敗したケース
ある製造業の社長が大手仲介会社にM&Aを依頼した際、最初に提示されたIMには、事業内容と財務データのみが簡素に掲載されていました。社長の経営理念や、社員を家族のように大切にしてきた想いは一切触れられていませんでした。
その結果、買い手候補からは「他の案件と何が違うのかわからない」「会うほどの魅力を感じない」という反応が続出。1年経っても成約に至らず、アーク・パートナーズに依頼が切り替えられました。
私たちは改めてヒアリングを行い、「地域密着型の製造体制」「創業者の苦労」「社員との信頼関係」などを丁寧にIMに反映。写真やエピソードも掲載した結果、買い手から「この会社と関係を築きたい」と強い関心が寄せられ、3ヶ月以内に基本合意に至りました。
比較表:アークと大手のIMの違い
項目 | 大手仲介のIM | アーク・パートナーズのIM |
---|---|---|
構成 | 固定テンプレート | ゼロベースで個別設計 |
文章 | 形式的で無機質 | ストーリー性と人間味を重視 |
定性情報 | ほとんどなし | 経営者の想いや文化を丁寧に表現 |
写真・図 | ほぼ使用されない | 現場の写真や図解を多用 |
読み手の反応 | 印象に残らない | 「会いたい」と思わせる |
“大手だから安心”はもう古い
大手仲介会社には多数の案件が集中するため、どうしても「効率優先」「事務処理化」されやすいのが実情です。担当者の経験値や熱意によってクオリティが左右されるため、「ブランド名=品質保証」とは限りません。
実際、買い手企業の多くは、「IMの内容を見れば、どの会社が作成したかすぐに分かる」と語っています。つまり、M&Aにおける“最初の印象”は、仲介会社のIMによって大きく左右されるのです。
まとめ
大手仲介会社でも、質の高いIMを作ることはできますが、体制や方針によっては「量重視」「テンプレ重視」のスタイルが優先されてしまいます。M&Aにおいて本当に大切なのは、売主の想いと魅力が買い手にしっかり伝わることです。
IMは“会社の分身”です。だからこそ、「誰に任せるか」でその質は大きく変わります。ラブレターのように丁寧に、一つひとつの言葉を選び抜く。そんな想いでIMを作り続けるアーク・パートナーズだからこそ、他社との差を生み出せるのです。
9. 良いIMを作るために売主が準備すべきこと
質の高いIM(企業概要書)を作成するには、M&Aの専門家だけに任せるのではなく、売主自身の協力が欠かせません。特に、中小企業の場合、代表者や幹部でなければ知り得ない情報が多いため、売主がどれだけ準備し、どれだけ想いを共有できるかによってIMの完成度は大きく左右されます。
売主が準備すべき基本的な情報
IMを作るうえで、最低限準備しておくべき情報は次のとおりです。
カテゴリ | 準備すべき情報の内容 |
---|---|
企業概要 | 社名、所在地、設立年、従業員数、主要事業、沿革 |
財務情報 | 直近3〜5年の決算書(PL、BS、CF)、補足資料 |
主要取引 | 主要な取引先・仕入先、契約形態、比率など |
設備・資産 | 所有・賃貸の設備一覧、車両、機械、土地・建物など |
許認可・ライセンス | 業務に必要な許認可の種類と状況 |
労務関連 | 就業規則、給与体系、雇用契約、福利厚生制度 |
これらの情報は、「ありのまま」を共有することが大切です。課題やリスクがあっても、M&Aアドバイザーはそれをうまく補足し、買い手に誤解を与えないように説明を構成します。隠すことが逆効果になることも多いため、正直な情報開示が信頼につながります。
数字では伝わらない情報こそ、売主の出番
IMで最も難しいのは、財務以外の「定性情報」を表現する部分です。たとえば、以下のような内容は売主でなければ語れません。
- なぜこの事業を始めたのか
- どんな理念で経営してきたのか
- 社員をどう育て、守ってきたのか
- 大変だった時期をどう乗り越えたか
- お客様や取引先との信頼関係をどう築いてきたか
これらの内容を、インタビューやヒアリングの場で丁寧に伝えていただくことで、アドバイザーは文章や構成にその“熱”を落とし込むことができます。
実例:売主のメモから生まれた感動のIM
ある地方のサービス業の案件では、社長が手書きで書いていた経営理念のメモや、創業当時のエピソードがIMに反映されました。そのメッセージは買い手企業の役員の心を動かし、面談時には「事前にIMを読みながら泣きそうになった」とまで言われました。
このように、形式的なデータだけでは成し得ない「共感」は、売主の言葉や姿勢から生まれるのです。
準備段階で売主がやるべきチェックリスト
IMの質を高めるために、以下のようなチェックリストを活用し、資料準備や思考整理を行うことをおすすめします。
- 直近の決算書と補足資料をすぐに出せる状態にしているか?
- 経営理念や事業方針を言語化できているか?
- 社員や社内文化について具体的に語れるエピソードがあるか?
- 譲渡を決断した背景と、自社に対する想いを明確にできているか?
- 売却後に希望する従業員や顧客の取り扱い方針はあるか?
これらを整理しておくことで、アドバイザーとの打ち合わせがスムーズになり、短期間で高品質なIMの作成につながります。
情報の共有は信頼関係の第一歩
M&Aにおいて、買い手が重視するのは「透明性」と「誠実さ」です。情報開示の姿勢は、そのまま企業としての信頼度にもつながります。隠さず、飾らず、自社の強みも弱みも正しく伝えるためには、売主自身が「情報発信者」となる意識が必要です。
中小企業庁のガイドラインでも、「売り手は情報の提供責任を負う」とされており、適切な情報提供がM&Aの信頼性と健全性を高めることが明記されています。
まとめ
良いIMは、アドバイザーの力だけで完成するものではありません。売主が自身の会社に向き合い、過去・現在・未来を語り、必要な情報を惜しみなく共有することがあって初めて、心に届くIMができあがります。
それは単なる資料作成ではなく、自社の歴史と誇りを未来へ引き継ぐ、大切な作業です。アーク・パートナーズは、その“語り手”としての売主に真摯に寄り添い、魂を込めたIMづくりを全力でサポートしています。
まとめ
IMの質は、テンプレートではなく「誰がどう作るか」によって大きく左右されます。企業の魅力や想いを本気で伝えたいなら、規模ではなく“誰に任せるか”を見極めることが最も重要です。
- IMは感情に届く資料である
- 定性情報が共感を生む鍵
- 分業では本質が伝わらない
- 想いを汲む姿勢が差を生む
- 買い手は人間性で動いている
IMは会社の未来を託す「ラブレター」です。想いに寄り添い、言葉にできるアドバイザーと共に作るべきです。詳しく知りたい方は、ぜひアーク・パートナーズまでお問い合わせください。
