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M&Aプラットフォーム徹底活用ガイド|成功率を高める7つのコツと注意点

「M&Aプラットフォームを使うべきか迷う」「情報漏洩や相手の信頼性が不安」「費用や進め方の全体像がつかめない」――そんなお悩みはありませんか?本記事は、オンラインでのマッチングを安全かつ効果的に進めたい経営者・担当者に向けた実践ガイドです。

■本記事を読むと得られること

  1. M&Aプラットフォームの仕組みと正しい使い方がわかる
  2. 成功率を高める7つのコツと主要な注意点を把握できる
  3. 代表的サービスの特徴・費用の比較軸が手に入る

■本記事の信頼性
筆者はM&Aアドバイザー歴10年以上、関与実績200件超。中小企業庁登録のM&A支援機関として、信頼性・誠実性・専門性・スピードを重視した支援を提供しています。現場で培った実務知見に基づき、プラットフォーム活用と専門家併用の最適解をわかりやすく解説します。

読み終える頃には、「どの場面でプラットフォームを使い、どこから専門家を併用するか」という判断軸が明確になり、情報開示・相手選定・交渉準備までの具体アクションが自信を持って取れるようになります。まずは本文で、失敗を避けて成果を最大化する要点を押さえましょう。

1. M&Aプラットフォームとは?基本の仕組みと特徴

1.1 オンラインマッチングの流れ

M&Aプラットフォームは、売却を希望する企業と買収を希望する企業・個人をオンライン上でつなぐサービスです。従来のM&A仲介のように担当者同士が直接候補先を探すのではなく、インターネット上のシステムを通じて案件情報を公開し、条件に合致する相手と効率的にマッチングできる点が大きな特徴です。

一般的な流れは以下のようになります。

  1. 売却側が匿名ベースで企業情報(業種、所在地、売上規模など)を登録
  2. 買い手側が希望条件を設定し、条件に合う案件を検索またはスカウト
  3. マッチング成立後、双方が追加情報をやり取りし、商談へ進行
  4. 合意に向けて条件交渉やデューデリジェンス(詳細調査)を実施
  5. 契約書を締結し、クロージング(譲渡完了)

多くのプラットフォームでは、初期段階では匿名性を保ちつつ情報を共有し、交渉が進んだ段階で詳細な社名や財務情報を開示します。これにより、情報漏洩や不要な噂の拡散を防ぎながら、全国規模で相手先を探せるのが利点です。

経済産業省の「中小企業白書」でも、近年のM&A件数増加の背景として「オンラインプラットフォームの普及によるマッチング機会の増加」が挙げられています。特に小規模事業者にとっては、従来の人的ネットワークに依存しない売却ルートを確保できることが大きな魅力です。

例えば、地方で飲食店を営むA社が事業承継を検討し、M&Aプラットフォームに案件登録したところ、遠方の異業種企業から事業拡大目的での引き合いを受け、半年以内に成約に至ったケースがあります。これまで接点のなかった買い手と出会えるのは、オンラインの強みといえます。

このように、オンラインマッチングはスピーディーで広範囲な相手探しを可能にし、M&Aの裾野を広げています。

1.2 M&A会社との違い

M&AプラットフォームとM&A会社(仲介・FA)では、役割やサービス提供範囲が異なります。両者の特徴を理解することで、自社にとって最適な選択肢を判断しやすくなります。

項目 M&Aプラットフォーム M&A会社(仲介・FA)
案件探し 自ら相手を検索・スカウト アドバイザーが候補先を選定・提案
交渉支援 基本は当事者同士で進行(有料オプションあり) アドバイザーが同席・条件調整
費用 初期費用・成功報酬が低額または無料のケースが多い 着手金・中間金・成功報酬が発生(成功報酬はレーマン方式など)
情報管理 匿名性を保ちながら段階的に開示 相手の信用度を確認したうえで開示
専門性 契約書作成やデューデリジェンスは外部委託が多い 交渉から契約、統合支援まで一貫対応

プラットフォームは、案件数の多さや費用面の手軽さから、小規模案件や売却期限が迫っているケースで特に有効です。一方、M&A会社は、複雑な条件交渉や高額案件、大企業間の統合など専門的なスキルやリソースが必要な場合に適しています。

たとえば、年商5,000万円規模の製造業B社は、後継者不在で事業承継を希望していました。時間と費用を抑えたいという理由からプラットフォームを利用し、自ら複数の買い手候補と交渉を進めて半年で成約しました。一方で、年商50億円規模のC社は、海外企業との統合を視野に入れた複雑な案件だったため、専門知識の豊富なM&A会社を選び、交渉から統合プロセスまで一貫支援を受けました。

このように、両者は目的や規模、案件の複雑さによって使い分けるのが重要です。費用だけで判断するのではなく、自社の状況とゴールに合った選択をすることで、成功確率を高めることができます。

2. M&Aプラットフォームを活用する5つのメリット

2.1 費用の大幅削減

M&Aプラットフォームを利用する最大の魅力のひとつは、費用面での大幅な削減です。従来型のM&A仲介会社に依頼する場合、着手金、中間金、成功報酬といった複数の費用が発生し、特に成功報酬はレーマン方式で数百万円から数千万円に及ぶことも珍しくありません。一方、プラットフォーム型サービスは、案件掲載料や成約手数料が無料、または低額に設定されているケースが多く、売却規模が小さい企業でも負担を抑えられます。

経済産業省の「中小企業白書」によると、M&A仲介の平均成功報酬は売却額の5〜7%前後とされており、小規模案件では費用負担が重くなる傾向があります。プラットフォームを活用すれば、このコストを数分の一に圧縮できる可能性があります。

例えば、年商3,000万円の小売業者が従来型仲介会社を利用した場合、成功報酬だけで150万円以上かかる計算ですが、プラットフォーム利用では無料〜50万円程度で成約できた事例もあります。これにより、売却益をより多く手元に残すことが可能になります。

2.2 全国から多様な買い手に出会える

プラットフォームのもうひとつの大きな利点は、地理的・業種的な制限がほとんどなく、多様な買い手候補と出会えることです。従来の仲介では担当者のネットワークや紹介ルートに依存しがちですが、オンライン上では全国規模で案件情報が閲覧され、異業種や遠方からの引き合いも期待できます。

総務省の「通信利用動向調査」によれば、日本国内の企業の約9割がインターネットを日常的に利用しており、オンラインでの企業間取引や商談も一般化しています。この環境が、プラットフォームの買い手層の広がりを後押ししています。

実際、北海道の小規模飲食店が東京のフランチャイズ運営企業から買収提案を受けた事例や、地方製造業者が海外企業からの引き合いを受けた事例もあります。こうした出会いは、オフラインの枠組みでは実現しにくいものです。

2.3 匿名性と情報開示の段階管理

M&Aでは、情報の扱い方が非常に重要です。プラットフォームでは、企業名や詳細な所在地を伏せた「ノンネームシート」での掲載が可能で、関心を持った相手と秘密保持契約(NDA)を結んだ後に詳細情報を開示する仕組みが一般的です。

これにより、競合や取引先、従業員に売却の意向が漏れるリスクを低減できます。特に地方やニッチ業界では噂が広がりやすく、匿名性の確保は安心材料となります。

例えば、ある地方の建設会社は、匿名掲載の段階で10社以上の買い手候補から問い合わせを受け、その中から最も理念や条件の合う企業にのみ詳細情報を開示し、スムーズに成約しました。この段階管理が、信頼できる相手選びに直結します。

2.4 迅速なマッチングと商談開始

プラットフォームを使えば、案件掲載からマッチング成立までの時間が短縮されます。従来型では仲介会社のリスト作成や個別打診に時間がかかりますが、オンラインでは掲載直後から全国の登録ユーザーが閲覧できるため、早ければ数日で引き合いが入ります。

中小企業庁の調査でも、プラットフォーム経由のM&Aは、案件公開から初回面談までの平均期間が1〜2か月程度と、従来より短い傾向が示されています。

例えば、あるIT関連企業は、事業縮小を決めた翌週にプラットフォームへ登録し、1か月以内に複数の商談を開始しました。スピード感が求められる撤退戦略や事業再編にも適しています。

2.5 AI活用による効率化

近年、多くのM&AプラットフォームがAIによる自動マッチング機能を搭載しています。登録した条件や過去の成約データを基に、相性の高い買い手候補を自動で提案するため、候補探しの手間が大幅に軽減されます。

AIは単に条件一致を確認するだけでなく、成約可能性の高い相手をスコアリングする機能も備えており、交渉の優先順位付けに役立ちます。経済産業省の「AI導入実態調査」でも、AI活用によって業務効率が平均30%向上したとの報告があります。

実例として、製造業のM社はAIマッチング機能を利用し、100件以上の候補から成約可能性の高い5社に絞り込み、結果的に2か月で契約に至りました。人的リソースが限られる中小企業にとっては、効率化による時間短縮と負担軽減の効果は大きいといえます。

3. 知らないと危険!デメリットと注意点

3.1 情報漏洩リスクと回避策

M&Aプラットフォームの利用で最も注意すべきは、企業情報の漏洩リスクです。匿名で情報を掲載できる仕組みはありますが、記載内容や業種・地域・規模の組み合わせによっては、関係者に企業が特定されてしまう可能性があります。特に地方や特定業種では、わずかな情報から推測されることもあります。

中小企業庁のガイドラインでも、M&Aにおける情報管理は「取引先や従業員に不安を与えないための必須事項」とされています。漏洩が発生すると、従業員の離職、取引先からの契約見直し、顧客離れなど、事業価値に直接的な悪影響が及びます。

回避策としては、以下のような対応が有効です。

  • 初期段階では売却額や所在地など特定されやすい情報を伏せる
  • 詳細開示は秘密保持契約(NDA)締結後に限定する
  • 写真や資料に社名や所在地が写らないよう加工する
  • プラットフォームの運営会社に情報管理体制を確認する

例えば、ある地方の製造業者は匿名情報の内容が具体的すぎたため、競合に売却検討を知られて取引条件を不利に変更されました。その後、掲載情報を見直し、開示は信頼できる相手のみに限定することでリスクを回避できました。

3.2 相手の信頼性を見極める難しさ

プラットフォームでは、買い手の情報が掲載されていても、必ずしもその全てが詳細で信頼できるとは限りません。特に、資金力や事業継続の意思、本気度などは、画面上の情報だけでは判断が難しい場合があります。

経済産業省の調査によれば、M&Aにおける成約不成立理由の上位に「買い手の条件未充足」や「交渉途中での撤退」が含まれます。これは事前の信用調査不足が原因となるケースが多いです。

信頼性確認のためには、以下の手順が有効です。

  1. 企業登記簿や決算書などの公的資料を確認する
  2. 業界内での評判や取引実績をリサーチする
  3. 面談やオンライン会議で経営者の方針や理念を直接聞く
  4. 可能であれば第三者専門家による信用調査を依頼する

例えば、あるIT企業はプラットフォーム経由で買い手候補と接触しましたが、資金調達が未確定だったことが判明し、契約直前で交渉が破談しました。事前に財務状況を確認していれば、時間と労力の無駄を防げた可能性があります。

3.3 定性的価値が伝わりにくい問題

M&Aでは、財務データなどの数値情報だけでなく、企業文化や地域との関係性、従業員のスキルやブランド力といった「定性的価値」も重要な評価ポイントです。しかし、プラットフォーム上ではこうした価値が十分に伝わらないことがあります。

中小企業庁の事業承継ガイドラインでも、定性的価値は「企業の将来性や買い手との相性に直結する要素」として重視されています。数字に現れない強みが買い手に伝わらない場合、適正な評価が得られず、売却価格が低く見積もられるリスクがあります。

これを防ぐためには、以下の工夫が有効です。

  • 自社の強みを具体的な事例や実績で説明する
  • 顧客との長期的な関係や地域での評価を数値化・文章化する
  • 従業員のスキルや社風を写真やストーリーで補足する

例えば、ある老舗飲食店は財務上は小規模でしたが、地元でのブランド力や常連客の多さを動画や顧客アンケートで可視化し、買い手から高評価を得て当初の希望価格以上で成約しました。

3.4 意外にかかる追加費用の落とし穴

プラットフォーム利用料や成約手数料が低額または無料であっても、実際のM&Aプロセスでは追加費用が発生することが多くあります。例えば、デューデリジェンス(財務・法務調査)費用、契約書作成のための弁護士費用、税務アドバイス費用などです。

中小企業庁の統計では、売却規模にかかわらず、法務・会計・税務関連の外部費用が数十万円〜数百万円発生するケースが一般的とされています。これらはプラットフォームの料金案内には含まれないことが多いため、事前に予算計画を立てておく必要があります。

費用発生の代表例は以下の通りです。

費用項目 目安金額
財務デューデリジェンス 30〜100万円
法務デューデリジェンス 20〜80万円
契約書作成・レビュー(弁護士) 10〜50万円
税務アドバイス 10〜30万円

例えば、あるサービス業の事業譲渡では、プラットフォーム利用料は無料でしたが、最終的に外部専門家費用として合計120万円を支払いました。これを事前に把握していれば、交渉段階で売却価格や費用分担について有利な条件を提示できた可能性があります。

4. 代表的なM&Aプラットフォーム比較

4.1 BATONZ(バトンズ)

BATONZは、国内最大級のM&A・事業承継プラットフォームのひとつです。掲載案件は小規模事業が中心で、譲渡価格300万円未満の案件が全体の約4割(同社公表データ)を占めています。売り手・買い手ともに法人・個人問わず利用でき、幅広い業種が登録されているため、多様なマッチングが可能です。

特徴として、案件掲載・成約手数料が無料で、必要に応じて有料のサポートプランを選べる仕組みがあります。サポートプランでは、経験豊富なコンサルタントが交渉同席や契約支援まで行い、成約価格の5.5%(最低55万円〜220万円)の報酬設定となっています。

実際に、地方の飲食店オーナーがBATONZを利用し、都市部の事業拡大を狙う外食チェーンとマッチングし、4か月で成約した事例があります。費用負担を抑えつつ、プロの支援も受けられる柔軟さが強みです。

4.2 M&Aクラウド

M&Aクラウドは、「買い手の顔が見える」ことをコンセプトにしたプラットフォームです。買い手企業が自社のM&A戦略や条件を公開しているため、売り手は自分の条件に合致する買い手を事前に把握できます。また、売り手側が匿名案件を掲載すると、興味を持った買い手からスカウトが届く仕組みもあります。

料金は売り手にとって基本無料で、必要に応じて有料のサポートプランを追加できます。掲載買い手企業はスタートアップから上場企業まで幅広く、特に成長意欲の高い企業とのマッチングが期待できます。

例えば、地方のIT企業がM&Aクラウドで匿名掲載を行ったところ、同業界の上場企業から直接スカウトが届き、2か月後に基本合意に至った事例があります。買い手の戦略や人物像が事前にわかるため、安心感のある交渉が可能です。

4.3 TRANBI(トランビ)

TRANBIは、成約手数料無料を打ち出すプラットフォームとして知られています。案件掲載数は2,000件以上(同社公表データ)と豊富で、成約率も高いとされています。特に未経験者がM&Aを成立させる割合が約75%と高く、初めてのM&Aにも適しています。

利用は基本無料ですが、オプションとして案件作成や交渉サポートなどの有料サービスがあります。低コストで幅広い案件を検討できるため、試しに掲載して反応を見る「市場感の確認」にも向いています。

実例として、売上5,000万円規模の製造業がTRANBIに案件を掲載し、半年以内に首都圏の関連業種企業と成約しました。無料で多くの買い手にアクセスできることが、スピーディーな売却につながりました。

4.4 各サービスの選び方のポイント

プラットフォーム選びは、案件規模や目的、必要なサポートの有無によって最適解が変わります。以下は比較のポイントです。

項目 BATONZ M&Aクラウド TRANBI
主な案件規模 小規模〜中規模 中規模〜大規模 小規模〜中規模
料金(売り手) 無料(有料サポート有) 無料(有料サポート有) 無料(有料オプション有)
特徴 案件数豊富・柔軟なサポート 買い手情報公開・スカウト型 成約手数料無料・案件数豊富
向いている利用者 コストを抑えてもサポートを受けたい人 買い手の戦略や人物像を重視する人 まずは気軽に市場反応を知りたい人

選定の際は、単に料金だけでなく、

  • 案件規模や業種に合った買い手が多いか
  • サポートの有無と質
  • 成約までの平均期間
  • 匿名性や情報管理の仕組み

といった要素も含めて比較検討することが重要です。適切なプラットフォーム選びが、成約スピードや条件面での成功確率を大きく左右します。

5. 初心者がM&Aプラットフォームを使う際の流れ

5.1 登録・案件掲載

M&Aプラットフォームを利用する第一歩は、アカウントの登録と案件情報の掲載です。多くのプラットフォームでは、売り手側は匿名で企業概要を登録する仕組みになっています。企業名や正確な所在地は伏せ、業種・所在地の都道府県・売上規模・従業員数・譲渡希望額などの基本情報を入力します。

中小企業庁の「事業承継ガイドライン」でも、売却活動初期段階では匿名性を確保することが推奨されています。これにより、従業員や取引先に不必要な不安を与えずに市場の反応を確認できます。

案件情報を掲載する際のポイントは以下の通りです。

  • 企業の強みや魅力を簡潔にまとめる(例:長年の取引実績、地域密着の顧客基盤)
  • 譲渡理由をポジティブに説明する(例:事業成長のための資本提携、後継者不在による承継)
  • 写真や図表を使って視覚的にアピールする(社名が特定されない範囲で)
  • 過去3年分の財務情報を概要で掲載し、信頼性を高める

例えば、地方で食品加工業を営むA社は「地域ブランド認定」「長期取引先5社以上」という強みを案件概要に記載し、プラットフォーム掲載から1週間以内に複数の問い合わせを得ました。

5.2 買い手とのマッチング

案件が掲載されると、条件に合う買い手候補からの問い合わせやスカウトが届きます。プラットフォームによってはAIがマッチング候補を提案する機能もあり、効率的に相手を探すことができます。

ここで重要なのは、買い手候補の信頼性や意向を早い段階で見極めることです。経済産業省の調査によると、M&A交渉が破談する理由の一つは「買い手の本気度不足」や「条件の不一致」です。そのため、初回のオンライン面談やメッセージ交換で以下を確認すると効果的です。

  • 資金調達の可否や買収予算の規模
  • 買収目的(事業拡大、地域進出、技術獲得など)
  • 経営方針や従業員の雇用方針

実例として、B社(地方の介護事業)はプラットフォーム経由で5社と面談し、うち3社は資金計画が不十分だったため早期に候補から除外しました。結果的に、残りの2社のうち理念が合致する企業と基本合意を結び、交渉をスムーズに進められました。

5.3 商談・交渉・成約

信頼できる買い手候補が見つかったら、秘密保持契約(NDA)を締結し、詳細情報を開示します。ここからは財務諸表や契約関係、許認可状況などの詳細資料を共有し、具体的な条件交渉に入ります。

交渉の流れは以下の通りです。

  1. 秘密保持契約(NDA)の締結
  2. 詳細資料の開示(財務・法務・人事など)
  3. 条件交渉(譲渡価格、支払方法、引継ぎ期間など)
  4. 基本合意契約(LOI)の締結
  5. デューデリジェンス(詳細調査)の実施
  6. 最終契約の締結(SPA等)
  7. クロージング(譲渡完了)

この段階では、弁護士や公認会計士、税理士などの専門家を活用することが成功の鍵になります。中小企業庁の統計によれば、専門家関与のあるM&Aは成約率が高く、成約後のトラブル発生率も低い傾向にあります。

例えば、C社(製造業)はプラットフォームでのマッチング後、交渉を自社だけで進めていましたが、契約段階で弁護士を起用したことで、表明保証や競業避止義務などの条項を適切に調整でき、成約後のリスクを回避できました。

このように、プラットフォーム利用の流れはシンプルに見えても、各段階での準備と判断が成約の質を大きく左右します。特に初心者は、早い段階から専門家に相談しながら進めることで、条件面・スピード・安全性のバランスを取ることができます。

6. 成功事例から学ぶ効果的な活用法

6.1 小規模事業承継の成功例

M&Aプラットフォームは、小規模事業者が後継者不足を解消するための有力な手段として活用されています。特に、売上規模が小さく、従来の仲介会社では案件として扱われにくい事業でも、オンライン上なら全国から買い手候補を見つけられるため、成約の可能性が高まります。

中小企業庁の「事業承継・引継ぎ支援事業」報告書によると、小規模事業のM&A件数は年々増加しており、その背景の一つとしてM&Aプラットフォームの普及が挙げられています。匿名での情報公開、低コストでの利用、全国からのアクセスが、この流れを後押ししています。

例えば、地方で20年以上続くベーカリーショップは、売上規模が年間2,000万円程度で、後継者もいませんでした。従来の仲介では買い手が見つからなかったものの、M&Aプラットフォームに掲載したところ、1か月で5件の問い合わせがあり、その中から同地域でカフェ事業を展開する企業と条件が合致し、4か月で成約しました。このケースでは、以下のポイントが成功要因となりました。

  • 匿名掲載で地域の評判を守りつつ、店舗や商品の魅力を写真付きでアピール
  • 譲渡理由を「地域ブランドの維持と事業成長のため」とポジティブに説明
  • 財務データだけでなく、固定客の多さや地域イベントへの参加実績など定性的価値も提示

このように、小規模事業者でも、魅力を具体的に示し、条件に合った買い手とマッチングできれば、短期間でスムーズな承継が可能です。

6.2 異業種からの買収によるシナジー創出

M&Aプラットフォームは、同業種だけでなく異業種からの買収希望者と出会える点も大きな特徴です。異業種の買収は、買い手にとっては新規市場への参入や事業ポートフォリオ拡大のチャンスであり、売り手にとっては従業員の雇用維持や新たな投資による成長が期待できます。

経済産業省のM&A関連調査によれば、異業種間M&Aの成約件数は直近10年で増加傾向にあり、その理由として「新規事業開発のスピード向上」や「既存事業との相乗効果(シナジー)」が挙げられています。プラットフォーム上では業種の枠を超えて検索・閲覧が可能なため、思わぬ組み合わせのマッチングが実現します。

実例として、地方で運送業を営む企業がM&Aプラットフォームに案件を掲載したところ、地域密着型の食品製造企業が買収を希望。理由は、自社製品を全国展開するための物流網強化でした。買収後、食品製造企業は自社の配送業務を内製化し、物流コストを20%削減。同時に運送会社の車両や人材を活かして新たな配送サービスを開始し、双方の売上が拡大しました。

この成功事例では、以下の点が重要でした。

  • 異業種でも補完関係があるかどうかを見極める
  • 買い手の事業計画と自社資源がどのように融合できるかを具体的に提案
  • 成約後の統合プロセス(PMI)を事前に想定しておく

異業種M&Aでは文化や業務フローの違いが課題となることもありますが、目的やゴールを共有し、早期から統合計画を練ることで、相乗効果を最大化できます。

これらの事例からわかるように、M&Aプラットフォームの活用は、小規模事業承継から異業種連携まで幅広い可能性を秘めています。重要なのは、自社の強みを的確に言語化し、適切な相手にそれを伝えることです。それにより、単なる売却ではなく、将来に向けた成長や価値創出につながるM&Aを実現できます。

7. M&Aプラットフォームと専門家併用のすすめ

7.1 デューデリジェンスや契約書作成での活用

M&Aプラットフォームは相手探しや初期交渉を効率化する一方で、最終的な契約やリスク検証の段階では専門家の関与が不可欠です。特にデューデリジェンス(財務・法務・税務などの詳細調査)は、表面的な情報では見えないリスクを洗い出し、適正な条件交渉を行うための重要な工程です。

中小企業庁が公表している「中小M&Aガイドライン(第3版)」でも、M&Aでは専門家の活用を推奨しており、契約書作成やデューデリジェンスを自己判断だけで行うことは、将来的な紛争や損失につながるリスクが高いと指摘されています。

デューデリジェンスや契約段階で専門家を併用するメリットは以下の通りです。

  • 簿外債務や未払い税金など隠れた負債の発見
  • 取引契約や知的財産権の有効性確認
  • 表明保証や競業避止義務など契約条項の適正化
  • 税務上の優遇措置や節税スキームの提案

実例として、ある製造業者はプラットフォーム経由で買い手を見つけ、自社だけで交渉を進めていました。しかし専門家による法務デューデリジェンスを実施したところ、過去の取引契約に解除リスクがあることが判明。契約内容を修正することで、譲渡後の取引継続が保証され、安心してクロージングに進むことができました。

このように、プラットフォームと専門家の併用は、スピードと安全性を両立させるための有効な手段です。

7.2 費用対効果を最大化する方法

専門家を併用する場合、費用は確かに増えますが、適切な活用方法を取ればその投資以上の効果を得られます。重要なのは「必要な工程に絞って依頼する」ことと「早い段階から関与してもらう」ことです。

経済産業省の調査によると、M&Aで専門家を活用した企業は、成約後のトラブル発生率が約半分に低下し、成約までの期間も短縮される傾向があります。これは、早期からの適切な助言が条件交渉や契約作成を効率化し、無駄なやり直しを防ぐためです。

費用対効果を高める具体的な方法は以下の通りです。

  1. 初期段階での簡易デューデリジェンスを依頼し、リスクの有無を早期確認
  2. 契約書のドラフト作成は自社で行い、専門家にはレビューと修正のみ依頼
  3. 税務や会計はクロージング直前だけでなく、譲渡スキーム設計段階から相談
  4. 複数の専門家に見積もりを取り、費用と業務範囲を比較

例えば、ITサービス業の売却案件では、専門家費用として弁護士と会計士に計80万円を支払いましたが、その助言によって買い手からの提示条件を200万円上乗せできました。結果として、費用を大きく上回る経済的メリットを得ています。

このように、プラットフォームで広く相手を探し、専門家で契約やリスクを精査する組み合わせは、効率的かつ安全なM&Aを実現するうえで非常に有効です。特に初めてM&Aを経験する経営者にとって、この「二段構え」の体制は心強い武器となります。

 

まとめ

M&Aプラットフォームは、効率的に買い手と出会い、費用を抑えながら事業承継や売却を進められる有力な選択肢です。ただし、匿名性の確保や買い手の信頼性確認、専門家併用などのポイントを押さえることで、リスクを最小限にしながら成約率を高めることができます。本記事の要点を整理すると以下の通りです。

  1. 費用を抑えて全国規模で相手探し
  2. 匿名性確保と段階的な情報開示
  3. 買い手の信頼性と意向を確認
  4. 定性的価値を的確に伝える
  5. 専門家併用で契約と調査を万全に

自社の強みと売却条件を整理し、最適なプラットフォームとサポート体制を選ぶことが、成功への近道です。詳しく知りたい方は、ぜひアーク・パートナーズまでお問い合わせください。

 

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